日本シリーズ第7戦は5日に京セラドーム大阪で行われ、阪神が7―1でオリックスを下して1985年以来、38年ぶりの日本一に輝いた。歓喜の瞬間を迎えた岡田彰布監督(65)は最高の笑顔を爆発させた。
3勝3敗で最終決戦までもつれ込んだ一戦は、両チームとも序盤は無得点。異様な熱気と興奮に包まれるなか、大きく試合が動いたのは4回だった。一死から森下の左前打と大山の死球で一、二塁のチャンス。ここで「5番・左翼」でスタメン出場したノイジーのバットが火を噴いた。相手先発・宮城がカウント1―2から投じた4球目のチェンジアップにうまく反応。内角低めに沈み、見逃せばボール球だったかもしれない変化球を捉え、すさまじい勢いで左翼席に突き刺さる貴重な先制3ランとなった。ノイジーは4日の第6戦でも2回に先制ソロを放ち、2夜連続で打線の火付け役となった。
勢いづいた猛虎打線は続く5回にも5安打を集中させて3点を追加。この回までに6点をリードするとともに、好投手の宮城をKOした。
一方の猛牛打線も執念はみせた。3点を先制された直後の4回の攻撃では森が阪神先発・青柳の直球で空振り三振に倒れると、右手に持ったバットをグラウンドにたたきつけて悔しさを爆発。9回二死から頓宮がシリーズ3号となる特大ソロを放ったが、反撃が遅すぎた。
両リーグの王者がCSを勝ち上がって実現した「関西ダービー」。この日の試合前まで勝敗どころか、日本シリーズで挙げた得点までもが「23対23」でまったくの互角だった。最後は阪神の4勝3敗。「30対24」で幕を閉じたが、関西発の大熱戦が列島を熱くさせる日本シリーズだった。