阪神が18年ぶり6度目のリーグ優勝を本拠地・甲子園で決めた。14日、巨人を4―3で下し、今季最長11連勝でゴールを駆け抜けた。岡田彰布新監督の下、グラウンドで日々躍動し、MVP級の輝きを放ったのが近本光司外野手(28)だ。
藤原恭大(大阪桐蔭)は4球団競合でロッテへ。外れ1位で指名した辰己涼介(立命大)も確率2分の1のクジを外し、楽天にさらわれた。虎党がため息をついた2018年のドラフト会議。でも、この世界にはこんな格言がある。ドラフトの答え合わせは5年後に――。
〝外れ外れ1位〟の近本光司は、まさに「残り物には福」を体現する男だった。盗塁王3度(19、20、22年)、ベストナインとゴールデン・グラブ賞は2年連続受賞(21、22年)。今や押しも押されもせぬ日本球界を代表するリーディングヒッターだ。ドラフト指名から5年後、虎の背番号5は優勝チームの切り込み隊長兼選手会長として歓喜の輪の中にいた。
近本が1位指名された18年。球団は「超変革プロジェクト」のど真ん中にいた。当時、編成部門のキーマンとしてらつ腕をふるっていた嶌村聡現球団本部長は「あの年はセンターラインを固めることが絶対的なテーマだった」と振り返る。近本のほかにも2位で小幡、3位で木浪と二遊間の選手を指名。「当時の評価としては『近本は1位指名にふさわしい実力があるのか?』という声もあったんですけどね。入団から5年連続でこれだけ結果を残してくれて」。大正解に終わった〝5年後の答え合わせ〟に胸を張る。
この日のスタメンにも近本、中野、森下、大山、佐藤輝と生え抜きの20代の選手ばかりが名を連ねた。「FA補強に頼らない骨太のチームづくり」というチームコンセプトは、長い時間をかけてようやく結実した格好だ。
近年、冴えに冴えわたる阪神のドラフト戦略だが、近本こそがまさに象徴だろう。「チームのMVPは誰か」と問われた岡田監督が、真っ先に名を挙げたのもこの男。これからも続くことになるであろう黄金時代の先頭に立ってけん引してくれるはずだ。











