ギータ2世のアシストへ韋駄天がひと肌脱いだ。ソフトバンクの周東佑京内野手(27)が3日の宮崎秋季キャンプで若鷹に「盗塁講座」を開いた。

 前夜に城所二軍外野守備走塁コーチからの要請を快諾。「(笹川)吉康がもっと走りたいって思いがあるということだったんで」と開講理由を明かした。周東が名前を挙げた笹川は2020年ドラフト2位で入団した左打ちの大砲候補。194センチ、94キロの恵まれた体格で、パワーとスピードを兼ね備え「柳田2世」と期待をかけられる21歳だ。周東はこの日、笹川と育成3選手に「アウトになる恐怖心に打ち勝ち、リード幅の限界点を広げる必要性」を説いた。

 向上心ある若手には惜しみなく技術を伝承するつもりだ。周東は「まずは守備と足だけで生き残れる」と一軍の激しい生存競争に勝つための近道も説いていた。それはまさしく笹川が「(試合の)途中からでも使ってもらって、結果を残して初めて一軍定着できる。足と守りはそのステージに上がるために必要」と盗塁技術の習得を志した理由だった。

 打撃はまだ粗削りながら、王会長が「飛ばす力は天性のもの」とうなるほどの資質を持っている。早期開花を後押しするには高いレベルで実戦機会をつかみ、経験を積むこと。本人に明確なビジョンがあるからこそ、周東はギータ2世の申し出を快諾して背中を押した。笹川は今季ウエスタン2位タイの11盗塁。「二軍の計測ではずっと一番」(笹川)という脚力だ。今季2度目の盗塁王に輝いた周東のエキス注入は、抜群のタイミングだったといえる。

 育成入団から地位を築き、WBC世界一にも輝いた周東。その過程には、指導者や良き先輩との出会いの縁があった。周東はかねて柳田の生きざまを尊敬してきた。その柳田が、芯の強さを買ってオフの自主トレに帯同しているのが笹川だ。韋駄天の〝即席盗塁講座〟は、どこかストーリー性を感じさせた。