日本シリーズ第4戦(甲子園)は1日に行われ、阪神がオリックスに4―3で劇的なサヨナラ勝ち。9回に大山がサヨナラ打を決め、チームの同シリーズ対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。本紙評論家の伊勢孝夫氏は3―3で迎えた8回二死一、三塁のピンチから湯浅京己投手(24)をマウンドへ送った岡田監督の用兵を激賞した。

【伊勢孝夫・新IDアナライザー】大山の劇的なサヨナラ打で阪神が2勝2敗のタイに追いついたが、どっちに転んでもおかしくない試合やった。

 7回に三塁手・佐藤輝の失策を足掛かりに2点を奪って追いついたオリックスに対してその裏、中堅手・中川の落球でつくった無死一、二塁のチャンスを生かせなかった阪神。普通なら流れはオリックスに行くもんやが、それを強引に引き戻したのが岡田監督の用兵だ。8回二死一、三塁の場面で湯浅をマウンドに送るとスタンドはものすごい歓声やった。あれで球場の雰囲気がガラリと変わったね。

 湯浅が中川を1球で二飛に仕留めると甲子園はさらに大きな歓声に包まれたが、あの場面で6月15日のオリックス戦(甲子園)以来、4か月半ぶりに一軍で投げるという投手を起用するのはよほど肝が据わっていないとできん。おそらく岡田監督は宮崎での「フェニックス・リーグ」での映像や、ブルペンでの投球を自分の目で見てしっかりチェックしているはずや。それで湯浅はいけると判断したんやろう。

 岡田監督はシーズン中も鳴尾浜での二軍戦を何度か見に行っていた。二軍からの報告も含めてファームの試合も全部チェックしているみたいやが、これはなかなかできんことや。自分は野村監督のもとでヤクルトの打撃コーチを務めていたが、あの野村監督でさえ二軍の細かいところまでは目が行き届かないところもあった。今回の湯浅の起用は岡田監督が二軍含め、チーム全体を掌握できているからこそ実行できたのだと思う。

 湯浅の1球はインコースへの逆球やったが、ボール自体はすごく力があった。オリックスは宗と森を除けば、右の好打者が多いだけに湯浅という新たなカードを切れるようになったのは阪神にとって大きい。一方、オリックスも6、7戦目には山本、宮城が控えている。どちらが勝つにしろ第7戦までもつれるのではないか。

(本紙評論家)