阪神はオリックスとの日本シリーズ第3戦(31日、甲子園)を4―5で落とし、対戦成績も1勝2敗でリードされた。虎党で埋め尽くされた本拠地で、先発・伊藤将司投手(27)は5回5安打4失点。スターターとしての責務を全うできぬまま5回の打席で代打を送られ、お役御免となった。

 勝負球はことごとく甘いコースへ吸い込まれ、得意とするはずのフィールディングでもミスを犯し自らの首を絞めた。この日の背番号27はとことん「らしさ」を欠いていた。

 1―1と同点の5回に連打を許し無死一、三塁のピンチを背負うと、続く広岡の遊ゴロで勝ち越しの1点を献上。なおも一死一塁とすると、次打者の東は定石通り犠打を投前へ転がす。打球を好捕した伊藤将は二塁封殺を狙ったが、これがまさかの悪送球。一、二塁と傷口を広げてしまった。

5回、伊藤は二塁へ悪送球し傷口を広げてしまった
5回、伊藤は二塁へ悪送球し傷口を広げてしまった

 悪い流れに完全に飲み込まれてしまった左腕は、二死一、二塁からここまでシリーズ無安打と打棒低調だった宗にも右中間を割る2点適時二塁打を浴びスコアは1―4に。常に沈着冷静な伊藤将も思わず顔をしかめ天を仰いだ。

 今季のレギュラーシーズンで伊藤将は85・7%という高いクオリティースタート率をマーク。抜群の安定感を誇っていた男が「普段通りの投球」を遂行できなかったことは虎ベンチとしても大きな誤算だった。本拠地を埋め尽くした虎ファンの期待に応えられなかった伊藤将は「立ち上がりも落ち着いて投げることができましたし、先制点を取ってもらったのでなんとか守り切りたいと思っていましたが、自分のミスから流れを悪くしてしまい、申し訳ないです」と唇をかんだ。

 打線は7回に森下の2点打などで3点を返したが、あと1点が遠かった。