オリックス―阪神の両リーグの王者対決となる日本シリーズは、28日に京セラドームで開幕する。日本一に輝くのは連覇を目指すオリックスか、38年ぶりの阪神か。59年ぶりとなる「関西ダービー」を控え、オリックスはシーズン中と変わらぬ落ち着きぶりで決戦に備えた。

 京セラドームでの最終調整を27日に終え、中嶋聡監督(54)は「始まるな、と。普通に入ってます。こればかりはやってみないと分からないですけど、去年と相手が違いますので、いろんなことを考えていかないといけない。経験値になってほしいとは思います。準備はできていると思っています」と冷静ながらも「阪神は強いチームで、強い野球をやってきている。投手力が高いチーム。こっちの投手力? 負けてます。あまり打たないと思いますので、チャンスでしっかり点を取って守る。いい戦いになると思う」と気を引き締めた。

 59年ぶりの「関西ダービー」に関西は沸き上がるが、オリックスナインは阪神をまったく意識していないようだ。伝統あるチームで言わずと知れた超人気球団。同じ関西なのに人気面で圧倒されてきただけに気合が入りそうなものだが、周囲の盛り上がりとは〝別世界〟といえそうだ。

 ある選手によれば「ロッカーで阪神の話題はまったく出ない。今日もロッカーで世間話をしたくらい。意識しても仕方ないでしょ。日本シリーズの相手が阪神というだけで普段通り。監督やヘッドに何か言われることもないし、自由にやらせてもらっている」とまるで阪神を〝シカト〟しているかのようだ。

 ミーティングもシーズン中と同じように相手を分析し、ロッカールームでの会話もおよそ阪神とは無関係のものばかり。前日26日のドラフト会議の話題をはじめ「去年の日本シリーズはいつやってたっけ?」「おととしは(東京)五輪があったから遅かったよね」「4連勝で早く終われたらいいね」など、決戦前日とは思えないリラックスムードだったという。

 別の選手も「『大丈夫か?』と思うくらいヨソ行きの感じがない。若い選手が多い割には落ち着いている。試合になればいや応なしに気持ちが上がってくるし、やることをやるだけ。大人というか、みんな分かっている」と話し「阪神の選手のほうが伝統チームなんで、窮屈なんじゃないですかね」と同情したほどだ。

 その裏には中嶋監督への信頼感があり「監督を信じてやってきた。それを続けていくだけですよ」。浮足立つことなく、普段通りのテンションで勝利をつかむ。