【楽天1位・古謝樹投手(22=桐蔭横浜大)】プロでも下克上精神は忘れない。外れ外れ1位で楽天が交渉権を獲得した最速153キロ左腕の古謝は「この1年、努力を続けてきた。中学、高校で埋もれていた自分を評価していただき感謝している」と実感を込めた。
今春の神奈川大学リーグでは5勝0敗、防御率1・82の好成績でMVPと2度目の最優秀投手賞に輝き、7月の日米大学野球の日本代表にも選ばれた。一気にドラフト上位指名候補として浮上したが、それまで「プロは厳しい」と自信を持てずにいたという。
出身は湘南学院高で甲子園とも無縁だった。転機となったのは横浜高で松坂大輔や成瀬善久、涌井秀章らを育てた小倉清一郎氏との出会い。1年時から臨時コーチの同氏に指導を受け、成瀬を参考にしたボールの出どころが分かりづらいコンパクトな腕の振りと、松坂らも経験した徹底的なフィールディング練習で守備と下半身強化に取り組んだ。
夏場でも容赦なく、投手2人でセカンドスローを1カゴ消化した後に休みなしで三塁側のバント処理も1カゴと、ボロボロになるまで鍛え上げられたという。高校は無名ながら、歴代の横浜高出身投手と同じメニューで培われた力は財産となった。
文字通りの〝たたき上げ〟で、小倉氏の教えをベースに大学で磨きをかけ、球速は20キロも増した。それでもモットーの「下克上」は変わらない。プロでは同学年のロッテ・佐々木朗やオリックス・宮城と同じ土俵で戦うことになるが「まだまだ足元にも及ばない。下からはい上がる強い気持ちを持っていきたい」と謙虚に言う。
一方で、譲れない部分もある。古謝は「投球フォームには信念を持っている。プロでも自分のフォームを貫きたい」と力を込めた。
今季最終戦でAクラス入りを逃した楽天は今江新監督のもとで巻き返しを図る。「キャンプからアピールして、開幕一軍という狭き門を突破したい」という古謝も、その輪に加わるつもりだ。












