巨人・阿部慎之助新監督(44)を中心とする新体制が19日から本格始動する。一軍首脳陣の平均年齢は「50・2歳」から「45・6歳」まで大幅に若返り、原前監督を含めて17人の役職が変更となった。新組閣を巡り「〝原一派〟を一掃するぐらいの覚悟でやってもらいたい」と提言した球団OBで本紙専属評論家・伊原春樹氏はどう見たのか。球団側の問題点も含めてメスを入れた。
【新鬼の手帳・伊原春樹】新たな組閣を見る限り、慎之助が現役時代から仲間としてやってきた面々が並び、コーチたちの役割も含めてキチンとしているなという印象ですよ。44歳で監督になったばかり。特に一軍のほうは慎之助主導で組閣を決めていったのかなと思う。
気心は知れているし、コーチのほとんどが慎之助よりも年下で動きやすいでしょう。投手コーチは主にファームで指導者の経験を積んできた杉内と、西武のファームで今年1年間コーチを務めてきたテツ(内海)。ともに左投げで杉内もほとんど一軍での指導経験はない。だが、どちらかと言えば杉内がおとなしい性格でテツのほうがヤンチャ。テツもどこかで慎之助が監督になるのを待っていたんじゃないか(笑い)。どちらにせよ、バランスはとれているように思う。
また、年下のコーチばかりでなく年上も入閣させたところは評価できるポイントだ。特に二軍監督だった二岡をヘッドコーチに置いたところ。組閣においてヘッドをどうするかは重要だ。慎之助はまだ若く、ガンガン前に出るタイプだ。「少し出過ぎなんじゃないか」とブレーキをかけるのもヘッドの役目。これが「ハイ、ハイ」というイエスマンでは困るが、二岡は2学年上に当たる。慎之助はあまり先輩とも思ってもいないかもしれないが、隣で少しでもアドバイスを送れる存在がいるのは大きい。二岡はいい人選だと思いますよ。
二岡が苦労するとしたら川相の存在でしょう。川相は大先輩だし、肩書は自分のほうが上。ただ、ヘッドというのは監督の意向をくんで、コーチ陣にキチンと伝達することが必要になる。二岡は性格的に優しくおとなしいところもあるので、鬼になりきれるかどうかでしょう。
ただ、一~三軍までのコーチ陣を見て改めて思うのはコーチの数がまだまだ多過ぎるということ。球団の面倒見がいいとも言えるかもしれない。しかし、選手が現役を辞めた後など、次の就職先としてあっせんし続ける姿勢には疑問が残る。
例えば投手コーチ。一軍は試合になるとベンチとブルペンで分かれなければいけないので、複数人いるのは分かる。だが、二、三軍に2人ずついる上に巡回投手コーチまでいる。私は二、三軍は1人でいいと思う。というのも「A」という投手を複数のコーチで課題を共有し、同じことを教育しているつもりでも、まったく同じ言葉になることはない。ニュアンスの違いは必ず生じる。そうすると、どうすればいいのか困るのは選手だ。
もちろん、前政権から続く契約上などの兼ね合いもあるのだろう。だが、球団内の人たちにはなかなか現場のことは分からないもの。ここは来オフの組閣に続く課題として見ていきたい。
(本紙専属評論家)












