岡田彰布監督(65)率いる阪神の一軍メンバーは実戦勘を維持するため参戦した「みやざきフェニックス・リーグ」での戦いを終え、15日に地元関西へ帰還。18日から開幕するCSファイナルステージ(甲子園)ではリーグ王者として、広島を迎え撃つ。18年ぶりにリーグを制した猛虎だが、ポストシーズンの短期決戦は伝統的に大の苦手。それならば、球団史上唯一となる「ファイナル突破」の実績を持つ〝あのお方〟に話を聞いてみようやないか――。
ファイナルステージの対戦相手が広島に決定し、岡田監督は「別にオマエどっちでもええわ。広島(マツダ)でやるなら広島が勝つと思っとったし、横浜でやるなら横浜(DeNA)が勝つと思っとったからな。普通にやるだけよ」と泰然自若とした姿勢を崩さなかった。2位に11・5ゲームの大差をつけてペナントレースを制したチームだけに、ここで敗れようものならCSの存在意義すら問われる。信条とする「普通の野球」を実践し、日本シリーズへ堂々と駒を進める構えだ。
だが阪神は、ここまで短期決戦にはめっぽう弱い。2007年に現行制度が導入されて以降、CSの通算成績は13勝22敗1分け。勝率3割7分1厘は12球団ぶっちぎりの最下位だ。毎年のように秋は〝やられ役〟ばかりを押しつけられてきただけに「また今年も…」と嫌な予感とトラウマに胸をザワつかせる虎党も決して少なくはない。
そんな阪神が、数少ない〝ハッピーな秋〟を味わうことができたのが14年。レギュラーシーズンを2位で終えた和田豊監督(61=現阪神二軍監督)率いるチームは、広島とのファーストステージ(甲子園)を1勝1分けで切り抜けると、続くファイナルステージ(東京ドーム)ではセ王者の巨人を相手にイケイケドンドンの4連勝。見事な敵地スイープで球団史上唯一となるファイナルステージ突破を決め、日本シリーズ進出を果たした。
和田二軍監督は「あの時はシーズン2位で終わってしまった悔しさを晴らすって思いも強かったからね。優勝して臨む今季とは状況がいろいろと違うよ。それに今の俺の仕事は上(一軍)にいい選手送り出すことだからさ」と控えめな態度を貫きながらも、当時を次のように述懐する。
「甲子園でのファーストステージでは守り勝つことを。点が入りやすい東京ドームでは打ち勝つことを念頭に置いていたよね。一度つかんだ流れを手放すことなく最後まで戦うことができたね。メッセンジャー、(藤浪)晋太郎、ゴメスも頑張ってくれたけど、俺にとっては何といってもスンファン(呉昇桓)。全試合で投げてくれたからね。短期決戦ではキーマンというか〝シリーズ男〟的な存在が必要。まあ昔話だな。今の選手たちも絶対にやってくれるよ」
CS全6試合に登板を果たした守護神・呉昇桓投手(41=現韓国サムスン)は、計8回1/3を投げ、許した失点はわずかに「2」。4セーブ1ホールドと驚異的な活躍を披露しMVPにも選出された。球団史上2度目となる日本一へチームを導く、次なる虎の〝シリーズ男〟は誰になるのか? 答えは間もなく明らかになる――。












