第105回全国高校野球選手権大会(甲子園)は19日に準々決勝が行われる。第4試合で連覇を狙う仙台育英(宮城)との東北勢対決に臨む花巻東(岩手)は18日、兵庫県内で約2時間の練習を行った。高校通算140本塁打を誇る主砲・佐々木麟太郎内野手(3年)は個別練習で調整。ロングティーでは背中痛による調整遅れの影響を感じさせないフルスイングを連発して「弾道は悪くない」と満足そうに汗を拭った。

 注目の一戦を前に状態は確実に上向いている。その大きな要因が打撃スタイルの原点回帰だ。2回戦までは「当てにいく意識」が強かったが、17日の智弁学園(奈良)戦から「ドンドン振る意識」に軌道修正した結果「悪くない打球の質」を取り戻した。今大会ここまで3試合で12打数6安打、打率5割。ただ、高校球界屈指のスラッガーにまだ長打は一本も生まれていない。

「智弁学園戦の時は三振、空振りOKでフルスイングしていこうと意識を変えたら打球の質も良くなった。角度は上がらなかったけど、悪くない打球の質だった」。感覚がよみがえると同時に、強豪相手の試合で自らの強みを再確認していた。「思いきり振ることが、チームにもいい影響を与える。それが役割」。稀有な大砲ゆえに、相手は一球の過ちも許されない。「気づきがあった」という言葉に迷いはなかった。〝怖さ〟が消えていた大砲は「全体的にゴロが多いかなと思っていたのと、低めのボールに手を出したりとか、そういうのを振り返って『なんでだろう?』と思った時に、ちょっとつなぐことを考えすぎていた。それで当てにいってマイナスの方向にいっていたところがあった」と分析。最大のストロングポイントを前面に出すことが、打線全体にも波及効果をもたらすことに気づき「ドンドン振っていくことが、自分の価値」と言い切った。

 佐々木麟太郎だからこそ醸し出せるオーラがある。王者・仙台育英に重圧を与えるには十分な復調宣言。待望の一発に期待がかかる。