ソフトバンクの藤本博史監督(59)が若手育成のため〝聞き魔〟ぶりを発揮している。大砲候補と期待されながら殻を破れずにいる6年目のリチャード内野手(24)を覚醒させたい一心からだ。
今や球界を代表するスラッガーとなった柳田の師匠としても知られる指揮官は、リチャードについて話すときに自然と熱を帯びる。「三振もあるけど内容的なものは出てきている。バットの先とか、詰まったりとか、刺されたりもあるけど、いい打球が飛んでいる。そろそろ出るんじゃないかな」。離脱した栗原の代役として2日の西武戦から5試合連続でスタメン起用。その間は17打数4安打ながら直近3試合連続でヒットが出ていることもあり、待望の一発まで予告した。
若手の育成に労を惜しまない研究熱心な指揮官は、今年の球宴でもヒントを求めて〝取材〟しまくっていたという。「頓宮(オリックス)とか万波(日本ハム)はオールスターで話を聞いたら、やっぱり欠点を直している。先輩に教えてもらったり、自分で研究してやっている。2人はすごく打つイメージが出てきているよね。リチャードもそういうふうにやっていかないといけない」
他球団の選手を直撃するのは今に始まったことではなく、西武・山川が台頭してきた際も自らの足で指導法のヒントを稼いだ。くすぶる選手がどんな壁にぶち当たり、どう克服してきたか。複合的な要因がいくつもあることを理解し、答えを求めてきた。
常勝と呼ばれたチームは主力の高齢化が進んで過渡期を迎えた。だが、世代交代は思うように進まず、大きな課題となっている。コーチ時代から続ける藤本監督の〝直撃取材〟は、もがく若鷹を一日も早く一人前にしたいという愛情の表れでもある。












