【球界こぼれ話】先月10日、日本ハムの清宮幸太郎内野手(24)が生田目翼投手(28)とともに行った札幌市内の小学校訪問を取材した。

 球団がスポーツ・コミュニティー活動の一環として実施する選手と児童の交流の場。新型コロナの影響で4年ぶりの開催だったこともあり、当日の会場は大盛り上がり。学校滞在はわずか1時間ほどだったが、500人を超える児童は、選手ときつねダンスやキャッチボールなどで親交を深めた。

 そんな光景を目の当たりにしたからか、ふと自分自身も小学生時代のある思い出がよみがえってきた。元中日ドラゴンズ監督・中利夫さんにナゴヤ球場に連れて行ってもらった時のことである。

 中さんとは実家がご近所で息子さんとは同級生。そんな縁もありナゴヤ球場訪問時に息子さんとともに同行させてもらったことがある。中さんは当時すでに監督を退任されていたが、現役時代(1967年)には王貞治氏(現ソフトバンク会長)らを抑えセ・リーグ首位打者に輝いた実績もある好打者。試合前にグラウンドやベンチに顔を出せば選手が次々とあいさつに訪れる。その姿を横で傍観するだけでも興奮したものだが、中さんに近寄る選手たちは自分にも目を向け声をかけてくれた。熱狂的な竜党だった自分にとってこの瞬間はまさに「夢の世界」。しかも目の前であこがれの選手から「野球やってるのか? 頑張れよ」と激励された時にはうれしさと緊張のあまり直立不動になったほどだった。

 その記憶は40年以上たった今も脳裏に焼きついている。自身の鮮明な思い出を踏まえると現役のプロ野球選手と子供たちが直接交流する場をシーズン中に設ける意義は、今の時代でも大きな価値があるのではないか。

 今回の日本ハムのようにシーズン中の休日に小学校を訪問するのは選手側からすればある程度の負担を強いられる。自らの貴重な休日、家族との時間を犠牲にするからだ。それでも、その行動や活動が子供たちに少なからず夢や希望を与えることも事実。特に普段テレビやネットでしかプロ野球を観戦できない地方の子供たちがシーズン中に選手たちと直接ふれ合える機会が増えれば、プロ野球への関心は間違いなく高まる。応援にも熱が入り、ひいては野球ファンの拡大にもつながるだろう。

 夏休みは多くの子供たちが球場に足を運ぶ。あこがれのプロ野球を身近に感じることができる絶好の時期でもある。

 選手の夏季休暇中の学校訪問は難しいかもしれないが、球場に来る子供たちに握手やハイタッチなどはできる。それだけでも子供たちには忘れられない貴重な思い出になる。

 コロナ禍にはできなかった直接交流。日本ハムだけでなく各球団にも積極的に行ってもらいたい。