元プロ野球選手で、今年の「熱闘甲子園」(ABCテレビ)でキャスターを務める斎藤佑樹氏が、5日に放送されたABCラジオ「斎藤佑樹 いま語る~あの夏の真実」に出演した。

 斎藤氏と言えば2006年の夏の甲子園に早稲田実業のエースとして出場。決勝戦で、田中将大(現楽天)擁する駒大苫小牧を再試合で破り、優勝したことはあまりにも有名だ。

 今年は高校生を取材して報じる立場になった斎藤氏は、「今までの2年半で成長具合っていうのが、あまりしてこなかった選手が、そのひと大会によってすごく成長する(ことがある)」と指摘した。

夏の甲子園決勝で駒大苫小牧・田中将大(右)を三振に討ち取り勝利を決めた斎藤佑樹(2006年)
夏の甲子園決勝で駒大苫小牧・田中将大(右)を三振に討ち取り勝利を決めた斎藤佑樹(2006年)

 共演したABCの伊藤史隆アナが「2週間で伸びる選手も、伸びるには理由がある。その前の積み重ねがあるっていうことですよね?」と聞くと、斎藤氏は「理由がなく伸びるパターンもあるんですよ」と意外な答えを返した。

 実は自身にもそんな体験があった。06年の大会では、決勝戦ばかりがクローズアップされがちだが、成長した秘密は準決勝の鹿児島工業戦にあったという。

「2連投か3連投目だったんですけど、『ちょっと疲れてきたなあ、ちょっと力抜いて投げてみようかな、1球だけ』って思って投げたストレートが、なんかすごく良かったんですよ」

 そこで斎藤氏は「あれ、この感じ、ちょっと面白いぞ。もう1球やってみよ」と思って投げたところ、「あっ、いい、いい、これ」という感覚になったという。「で、そのままずっと行ったって感じで」

 決勝戦もその感覚のまま投げたそうで、斎藤氏は「あそこで、あの感覚をつかめてなかったら、決勝戦、延長再試合、もしかしたら乗り切れてなかったかもしれない。力を抜くことを準決勝で得られたからこそ、あの延長再試合があったかな、と思います」と振り返った。