阪神は30日の広島戦(甲子園)に4―2で快勝し、首位攻防カードを2勝1分けで勝ち越すことに成功。首位の座を堅守し、山あり谷ありの7月を11勝8敗2分けで終えた。本紙評論家の伊勢孝夫氏は岡田彰布監督(65)の好采配を指摘した上で「8月以降の優勝争いも阪神の優位は揺るがない」と断言。さらに「今後は打線に爆発力を秘める原巨人が虎の好敵手として立ちはだかるのではないか」と予測した。

【新IDアナライザー・伊勢孝夫】この試合のポイントは先発の伊藤将が連打を浴び、2点差に詰められた8回のシーンだろう。なおも無死一、二塁と広島サイドとしては一気呵成にいきたいところだったが、新井監督は直近2戦で10打数4安打3打点と当たっていた1番・小園に犠打を指示し一死二、三塁の形をつくることを優先。これでは後続に快音が出ても同点までのビジョンしか見えない。岡田監督も「あそこは(小園が)バントしてくれたから良かったよな。俺だったら打たせてた」と試合後に語っていたそうだが私も同意見だ。長距離打者を欠く広島の苦しい台所事情が伝わってくる一幕だった。

 かたや阪神は加治屋、島本、岩崎と潤沢なブルペン陣を効果的に投入し、相手打線の追撃を断った。湯浅、石井を欠いてなおこの陣容の分厚さなのだから恐れ入る。そしてこの豊富な手駒を柔軟に使いまわす岡田監督の手腕も見事だ。余力十分の阪神は勢いだけで打ち負かすことはできない。間違いなく優勝候補一番手であると再認識した。

 投手陣に疲労がたまる8月以降は各チームとも打線の奮起がモノを言う。近本、中野の不動の1、2番コンビに加え、森下、大山、佐藤輝の中軸も好調を持続していることは好材料だ。あとはノイジーに当たりが戻れば、虎打線の陣容は一層すごみを増すことになるだろう。そういう意味では2位・広島や3位・DeNAよりも4位・巨人の存在が私の目には不気味に映る。坂本の戦線復帰に加え若手の秋広も台頭。不動の4番・岡本和も当然ながら健在だ。

 そして何より巨人には、長丁場のシーズンを何度も勝ち抜いてきた原監督がいる。首位・阪神とは6ゲーム差。2008年シーズンには最大で13ゲーム差をつけていた岡田阪神を、原巨人が逆転し優勝している。15年前のリベンジか、再現となるのか。TG両軍のライバル物語がシーズン終盤戦を盛り上げてくれるはずだ。

(本紙評論家)