広島は29日、阪神と首位攻防戦(甲子園)を延長12回の末、2―2で引き分けた。

 6回に1―1の同点から、先発・森下が佐藤輝に勝ち越しソロを被弾し。直後に右手中指のマメの影響で途中降板するなど、中盤まではチームは劣勢雰囲気だった。だが、8回に1番・小園のこの日2本目となる適時打で追いつくと、その後の5イニングを島内→栗林→矢崎→戸根→大道による5人のリレーで、最終回までスコアボードにゼロを並べた。

 4時間56分の激闘にも疲れた表情を見せることなく「どうも!」と報道陣の前に姿を見せた新井貴浩監督(46)は「本当にみんなよく頑張りました。この甲子園の(アウエーの)雰囲気の中で、全員よく頑張って耐えた」と、6回途中から無失点のリリーフ陣をねぎらった。

 前日に連勝が10でストップし「連敗」だけは何とか避けたい中、延長の攻防では指揮官も〝禁じ手〟解禁の執念采配に動いていた。

 延長10回に登板した現守護神の立場にある矢崎には「勝ち越したら(次の回も)『行ってくれ』と伝えていた」と、今季はまだ一度もない複数イニングでの登板の準備をさせていた。結果的には延長10回表に自軍が得点ができず、実現はしなかったが、敵地での延長戦を総力あげて取りにいく姿勢を見せ続けた。

 最後は「遅くまで応援してくださったレフトスタンドの皆さん、ありがとうございました」と敵地・甲子園に詰めかけた4万2632人の〝一角〟を占めた左翼席の鯉党に向けてメッセージを残した新井監督。価値ある引き分けに、すがすがしい表情で球場を後にした。