とんだ赤っ恥だ。巨人は26日の阪神戦に5―8で逆転負け。1994年以来、実に29年ぶりに甲子園で6連敗を喫した。

 試合が暗転したのは1点リードの7回だった。一死一、二塁から4番手で登板した高梨雄平(31)が、小幡に2点適時三塁打を浴びるなどこの回4点を献上し、形勢を逆転された。敵地で屈辱の連敗となったが、何よりも異様だったのは敵地の雰囲気。高梨がリリーフカーで登場するなり、4万人超の虎党から鼓膜が破れんばかりの大ブーイングが発生し「やったれ~!!」との怒号も飛んだ。

 孤独なマウンドで周囲360度から浴びせられた〝集中砲火〟。事の発端は2日の試合で高梨が近本に死球を当ててしまったことにあった。本人に謝罪した後に右肋骨の骨折が判明して離脱。それ以降、初の甲子園での対戦となった25日の試合前には高梨から近本に歩み寄って直接謝罪した。そもそも当事者たちの間にわだかまりは存在しなかったが、一時的に主力選手をアクシデントで失った虎党の感情はまた別だった。

 巨人側もこうした事態が起きることは想定内だった。甲子園は特に熱烈なファンが多いことで知られるだけに、球団関係者の一人は「いつかは甲子園でも投げなきゃいけない選手。すごいブーイングが来るだろうけど、それを怖がっていつまでも投げないわけにはいかない。逆風の中で投げて抑え、自分で乗り越えてもらうしかない」と奮起を期待していた。

 避けては通れない〝みそぎ登板〟。結果は本人にとってもチームにとってもバッド・エンドとなったが、ある意味では〝通過儀礼〟は済ませたとも言える。試合後の高梨は大荒れとなった甲子園の雰囲気について「けっこう集中していたので、あまり音とかは聞こえなかった」と話したが…。

 リーグ1位の38試合に登板し、馬車馬のごとく働きながらブルペンを支え続ける変則左腕は試練を乗り越えられるのか――。