いよいよ鬼モードにギアチェンジだ。巨人は11日の広島戦(東京ドーム)で中田翔内野手(34)と秋広優人内野手(20)の「師弟アベック弾」などで8回途中無失点の先発・山崎伊織投手(24)を援護。4―0で快勝した。そんななか、原辰徳監督(64)の繰り出した〝鬼采配〟にチームはピリッとなった。
まさかの交代劇だった。防御率1点台の相手先発左腕・床田を中田翔、秋広、丸のソロ3発でKOすると、7回に代打・梶谷の適時打も飛び出しリードは4点。プロ初完投初完封ペースの山崎伊は8回一死一塁で野間を三邪飛に打ち取った。
残りアウト4つ。ここまで5安打で球数も106球。6月8日のオリックス戦(京セラ)で120球を投げた右腕は余力十分に見えたが、原監督は動いた。交代を察した右腕は思わず「ワオッ」と声を出したほどだ。
左打者の秋山に対し左腕・高梨を投入するも左翼線へ二塁打を許す。すると二死二、三塁で右の代打・デビッドソンに3番手右腕・鈴木康を送り込み、空振り三振でピンチを脱出。9回は中川が無失点で締めた。
快勝劇に指揮官は「いいところでポンポンポンと出てくれましたね」と効果的なソロ3発にニヤリ。自己最多6勝目の山崎伊を「ナイスピッチング。7回先発ピッチャーが投げてくれれば大きいですね」とたたえた。
山崎伊が中5日で17日のヤクルト戦(神宮)に先発するなら球数制限も必要になるが、次回先発は球宴明け。チームが勝つ可能性をより高くするための継投策だった。指揮官は「我が軍は全員で野球をやってきてここに来ているわけだからね。スターティングメンバー9人で戦いが始まり、戦いが終わるというのはなかなかやってきてないことだしね。やっぱり全員で戦うという意識を持つのは大事なことだと思いますね」と説明した。
それぐらい大事な一戦だった。広島とはこの日の勝利で今季5勝8敗。「このところカープと試合すると非常に重い展開になるので」と指揮官が話したように、初回一死一塁から3番・秋広に犠打のサインを送る異例の采配で1点を取りにいった。
チーム内からは当然、山崎伊への〝同情〟の声も出た。「投手の本能として完封できる時にはしておきたいもの。一度逃すとなかなか次のチャンスが回ってこないことも多い」(球団関係者)
それでも球宴前とはいえ、すでにシーズンは折り返している。開幕直前の激励会で「6、7月ぐらいになったら、このチームが『奪回』という中で走りだしています」と宣言していた指揮官は広島戦の負の連鎖を止めるため「少し戦い方というものを変えてみようというのは自分の中ではありました」と明かした。
指揮官の決断は山崎伊の〝負けん気〟も刺激。「自分は9回まで投げるぞという気持ちで投げてました」と強気な姿勢を見せた右腕は「いずれは9回投げ切りたいと思います。まあでも目の前のアウトをしっかり一つひとつ取っていくのが大事だと思います」と途中降板を糧としていく考えを示した。
すべては3年ぶりV奪回のため。原巨人のボルテージがいよいよ上がってきた。












