巨人のドラフト1位ルーキー・浅野翔吾外野手(18)が8日のDeNA戦で一軍デビュー(2三振)を果たした。一夜明けた9日の同戦は出番がなかったが、若者らしい思い切りのいいスイングと、緊張のあまり守備で足がもつれてしまった初々しさに、今後への楽しみは広がるばかりだ。
今年6月に亡くなった「怪童」中西太氏の郷里・香川県の後輩ということもあり「令和の怪童」の異名を持つスラッガーは、どんな選手に成長していくのか。中西氏の「一番弟子」を自他ともに認める本紙評論家・伊勢孝夫氏が、浅野に「中西流打撃術」を伝授した。
「太さんの打撃術の〝イロハのイ〟は『体の内側にためこんだ力を外に逃がすべからず』でした。具体的には軸足の太ももの付け根部分に蓄えた力を、ステップした前足の内側にぶつけていくイメージ。腰を開いたり、ヒザを開いたりするスイングは、真っ先に矯正されましたね」(伊勢氏)
そのために中西氏は、教え子たちにどんな練習をさせたのか。
「内側にパワーをためこむために必要なものとして、太さんがよく口にしていたのは『鋼のように柔らかくて強い内転筋を作るべし』でした。選手によくやらせていた練習は、相撲の四股。相撲の人気ドラマでも話題になりましたが、私も今、まさに大学の野球部の教え子たちに四股を踏ませていますよ。下半身が大事なのは、相撲も野球も変わらない。もし太さんが浅野にコーチするとしたら、まず四股を踏ませると思います」(伊勢氏)
スイングについてはどうか。
「スイングを固めるのは素振りとティー打撃。素振りは『外角球→外角球→内角球』を想定し連続して振ります。外角を連続して振った後に、内角を体の反応でクルっと回転して振るようにするわけですが、こうすることで内角も腰やヒザが開かずにスイングできるようになる。ティー打撃も素振りと同様に、外のボールを打ちながら内のボールにも反応できるように打つ。理想的なスイングは外角球を手元まで引きつけ、後ろのポイントでとらえるスイングで、その型を崩さないよう、内角球にも開かずに対応できるスイングを作っていくことが基本でした」(伊勢氏)
中西氏といえば手首が腱鞘炎になるほどの猛練習で自身のスイングを作り上げ「リスト(手首)の強さ」でも定評のある打者だったが…。
「もちろん手首の強化にも取り組む必要があると思います。太さんは『オレのようにスイングしていたら腱鞘炎になるかもしれないぞ』とも言っていましたが…。今の時代はジムなどで器具を使うなどして、手首の強化に取り組みやすい環境にあると思います。以前はバットスイングを重ねるぐらいしか方法がなかったので」(伊勢氏)
中西氏は生前、浅野に対し「ケガのない中西を目指してほしい」との言葉も残していた。そして、今の巨人には「中西流」の伝承者もいるという。
「選手を褒めながら伸ばすスタイルが太さんのやり方でした。今の巨人には原監督や阿部慎之助コーチら、太さんを信奉していた指導者が残っています。そうした人たちのアドバイスを受けながら、太さんのような大打者に育ってほしいですね」(伊勢氏)
浅野のプロ野球人生は、まだまだ始まったばかり。可能性が詰まった「令和の怪童」には、元祖・怪童に縁のあった多くの人たちも期待を寄せている。












