阪神は不動の1番打者・近本光司外野手(28)の右肋骨骨折による登録抹消が響き、直近3試合合計で3得点と打線が停滞。攻守のキーマンが長期離脱を余儀なくされたことで岡田彰布監督(65)は今後、困難なかじ取りを強いられていくことになる。本紙評論家の伊勢孝夫氏は「今こそ大胆な打線改造が必要」と提言した上で〝代役リードオフマン〟にあの規格外男を指名した――。
【新IDアナライザー・伊勢孝夫】現在の阪神打線において最も重要、かつ最も代えのきかない選手が近本だった。それだけに彼の離脱はあまりにも大きな痛手だ。岡田監督は5、6日の広島戦(マツダ)で島田海吏外野手(27)を「1番・中堅」として代役起用し、2番・中野から8番・木浪までの打順の並びを従来とほとんど変えなかった。これまで固定起用してきた選手たちのリズムを崩したくないという思惑は容易に想像がつくが、私の考えは逆だ。
近本という最大のキーマンの不在は、打順を構成する上での〝大前提〟が根本的に狂ってしまったことを意味している。それだけに私は、一度大胆にオーダーを組み直す必要があるとみる。
まず1番打者には佐藤輝明内野手(24)を置きたい。ここまで5番打者として起用されながら5盗塁をマークしていることからも分かる通り、足は十分に使える選手。中軸を担ってきたことで「最悪、歩かせてもOK」と厳しいコースばかりを攻められ苦しんできたが、彼を1番に置けば相手バッテリーは「出塁」と「長打」の両面を同時に警戒しなければならなくなる。自然と配球は甘くなり、佐藤輝に有利な状況が発生するだろう。
彼が打席に入ればベンチからの指示は「打て」の一択でいい。いずれにせよチームとして〝アレ〟を目指す以上、佐藤輝の完全復調は絶対的に必要不可欠。そのきっかけを新たな打順でつかんでほしい。
2番には木浪。ここまで「陰のチャンスメーカー」として、上位打線につなぐ8番打者としての役割を存分に果たしてきたが、それも近本、中野が1、2番にいてこその話。大前提が大きく狂ってしまった以上、彼を下位打線に置いておく必要性はもはや皆無だ。ここまでリーグトップの12犠打をマーク。小技が使える点も大いに買いたい。
3番には出塁率の向上も含め、打撃面での成長が著しい中野。4番に大山。5番にノイジー。成長株の前川はやはり6番が適任だろう。7番・捕手、8番・中堅は守備最優先。まずは1~6番の打者6人で1試合あたり3、4点を挙げることを目標にし、投手力を含めた守りの野球で接戦を勝ち切っていくしかない。(本紙評論家)












