エンゼルスの大谷翔平投手(28)は25日(日本時間26日)に敵地デンバーでのロッキーズ戦に「2番・DH」で先発出場し、4打数2安打1打点だった。チーム3連戦を1勝2敗で負け越した。この日は不発だったが、25本塁打、61打点はア・リーグトップだ。一方、最大のライバル、ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(31)は負傷者リスト入りする原因となった右足親指の負傷が靱帯断裂だったことが判明。復帰時期は未定だ。認め合う関係だけにお互いに残念だろう。負傷直前の大砲に「大谷の能力を一つ自分に取り込むとしたら何がいい」と聞いたところ、答えは「左打者」だった――。

 相手先発の左腕ゴンバーから2安打を放った。0―1の3回二死一塁は外角の85・8マイル(約138キロ)のスライダーを強打。痛烈なゴロは二塁手のグラブをはじいて中前に抜けた。3点差を追う6回無死二塁は1ボールからの2球目、外角高めの91・9マイル(約147・9キロ)のフォーシームを捉えて逆方向へ。113・7マイル(約182・9キロ)の弾丸ライナーは左中間を真っ二つ。適時三塁打となった。打点を61に伸ばしてリーグ単独トップに復帰した。

 一発出れば同点の8回一死一塁は4番手の右腕D・バードの内角低めのスライダーをすくい上げた。高々と上がった打球に歓声が上がったが右飛だった。

 本塁打王争いではジャッジに6本差だが、2位はホワイトソックスのルイス・ロベルト外野手(25)の21本塁打だ。そのジャッジは24日(同25日)に右足親指の負傷は靱帯の断裂と明かした。MLB公式サイトによれば、「珍しいけがで、復帰までの見通しが立っていない」。まだ歩くと痛みを感じる状態で、プールでのリハビリなどを行っている段階。間もなく、キャッチボールや打撃練習ができるようになる見通しだという。

 ジャッジの復帰が大幅に遅れて大谷がキング争いを独走した場合、昨年のMVPレースでジャッジを推した「東海岸派」と大谷支持の「西海岸派」との間で“ジャッジが不在だから”“負傷する方が悪い”などと不毛な対立が生まれそうだ。そうなるとファンは興ざめだろう。

 実際、大谷とジャッジは認め合う関係だ。昨年、MVPを発表したMLBネットワークの番組に日本からリモート出演した大谷はライバルについて「MVPどうこうより、一選手として毎日見ていました。また、打ったなという。本当に楽しませてもらった人間の一人です」と絶賛した。

 一方、ジャッジも4月18~20日にヤンキー・スタジアムで対決した際に「僕たちは友達。私は大谷のファンだ。(投打)両方で彼がやることや戦い方は大好き。だからライバルとは言わない。フレンドリーな競争だ」と敬意を口にした。また、負傷離脱直前に「大谷の能力を一つ自分に取り込むとしたら何がいい」と聞いたところ、こう即答した。

「左打者になれたらナイスだね、特にヤンキー・スタジアムで。自分のパワーを保ったまま左で打てたらあと何本かヤンキー・スタジアムの壁(フェンス)の向こうにボールを放り込めそうだ」
 左打席に立って右翼が狭い本拠地での本塁打を増やそうということか…。

 ちなみにMLB公式サイトのデータ分析システム「スタットキャスト」によれば、今季の本塁打の平均飛距離は大谷がメジャー6位の421フィート(約128・3メートル)でジャッジは同64位の406フィート(約123・7メートル)だ。今季はジャッジの負傷の影響で見通せないが、2人の真っ向勝負を見たい。