新日本プロレス「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」は28日の東京・大田区総合体育館大会で優勝決定戦が行われ、Bブロック2位のマスター・ワト(26)がAブロック2位のティタン(CMLL)を下し初優勝を飾った。これで6月4日大阪城ホール大会でIWGPジュニアヘビー級王者・高橋ヒロム(33)への挑戦が決定的に。数々の試練を乗り越えてきた男が、頂点への切符を手に入れた。
ティタンのジャベ・インモルタル(変型鎌固め)を執念でロープに逃れたワトは、通天閣ジャーマンスープレックスで反撃に出た。これでも3カウントは奪えず反撃にさらされたが、旋風脚から再び通天閣ジャーマンを決める。
最後は高角度でマットに叩き落とすレシエンテメンテⅡ(セグンド)で激闘に終止符。悲願の初制覇を果たし「やっとここまで来ました」と勝ち誇り、王者・ヒロムへの挑戦を表明した。
栄光をつかむまで、試練続きのレスラー人生だった。新日本では柴田勝頼以来、17年ぶりとなる10代デビューを2016年に飾ったが、高校時代は部活に入らず格闘技を学んでいたため慣れない集団生活に苦労した。
雑用でミスして試合前にスクワット3000回を命じられたこともある。後輩には岡倫之と北村克哉と問題児…いや、クセの強いレスリングの猛者がそろい、年下だったワトの苦労は絶えなかった。
極め付きは海外遠征からの凱旋帰国だ。ワトが帰ってきた20年7月の後楽園大会は、コロナ禍の影響で無観客開催。歓声ゼロの会場で登場早々にDOUKIに背後から襲われKOされた。
「とんでもないタイミングで帰ってきたなっていうのが強かったですね。襲撃までされて、最悪の中の最悪。コロナがいつまで続くかも分からなかったので、いろいろな意味ですごく恐怖でした」
それでもどん底からの再スタートだったからこそ、何ごとにも諦めない強靱な精神力が芽生えた。「その時は感じられなかったですけど、試練があったからこそ今の自分があるので。いろいろな意味で強くなれっていう意味なのかなって。そうプラスに考えたいので、今回のBOSJは優勝したかったんです」と胸を張った。
「グランドマスター」を目指すためにリングネームを変更したが、プロフィルは若手時代のものが丸々転用されるなど〝正体〟はバレバレだ。「『グランドマスターって何?』ってよく聞かれるんですけど、ベルトを取った時とか、そこじゃない気がするんですよ。自分が今のプロレスに満足した時がグランドマスターなのかなって。そうなれたら〝元に戻る〟ことも考えてますよ」。笑みを浮かべたワトがジュニアの新時代を開拓する。












