これはちょょっと見逃すわけにはいかんよ――。6―5とヤクルトに9回二死から逆転を勝利した阪神・岡田彰布監督(65)は試合後も笑みが絶えなかったが、唯一「渋顔」を作ったのが、2番手・西純の不安定な投球ぶりだ。

 1点リードの7回2番手で登板も一死後に2番・サンタナ、3番・山田哲に連続四球。その後、4番・村上以降の敵の中軸に、指揮官は岩貞、加治屋らを火消しに走らせるが、結果的には四球を許した2人の走者の生還を許し、一時は5―4と逆転を許した。

 岡田監督は「あの2つのフォアボールよ」と試合後も、おかんむり。西純は前回19日の広島戦でも、四球をきっかけに失点を喫し、翌20日の試合前練習では、指揮官が直々に右腕を呼び出して中継ぎの〝心構え〟を伝授するなど、「変わり身」を期待していた一人でもあった。

 それだけに前回と同様に四球からの失点劇には「俺が(やるなよ)と言うたことをそのままやってもうたよな。あんなことやっていたら投げるとこなくなってしまう」と眉を顰めた。

 試合後の西純も「チームが勝ったんで良かった。(7回は)力んでしまった」と、神妙な表情のままで球場を後にした。