ソフトバンク・和田毅投手(42)が今月中にも通算2000投球回に到達する。2003年にデビューした左腕は、ここまで1992イニングを投げてきた。大台到達は現役では石川(ヤクルト)、涌井(中日)、岸(楽天)の3人だけ。先発投手として実績を積み上げてきた者にしか届かない数字だ。
ここまでNPB通算152勝82敗で「通算勝率」は6割5分。長い球史を振り返っても2000投球回をクリアした投手で、和田より高い勝率を残したレジェンドは藤本英雄(巨人=6割9分7厘)、稲尾和久(西鉄=6割6分8厘)、斎藤雅樹(巨人=6割5分2厘)の3人しかいない。00年以降にデビューした投手では〝最上位〟。21世紀に入ってNPBをけん引した常勝ホークスで、貪欲に勝利を目指してきた左腕にふさわしい勲章だ。
メジャーにも挑戦し、苦悩の連続だった左肩の故障も乗り越え、今季がプロ野球人生21年目のシーズン。開幕ローテーションに名を連ね、17日の楽天戦(山形)で今季5度目の先発マウンドに立つ。かつて、和田はこんな話をしたことがある。「(通算勝率が)上位なのは知ってますよ。でも、この数字は強力な野手陣とリリーフ陣のおかげ。だから、みんなに感謝している。同時に僕が真っ先に思うのは、もっと高い数字を残さなくちゃいけなかったんじゃないかってこと。それは、僕がホークスの投手だから」。そう常勝の誇りを示し、球史に残る数字も「戒め」にしてマウンドに上がり続けてきた。
昨年、一昨年と覇権を失ったソフトバンク。メジャー移籍した千賀の穴は大きく、絶対的エースは不在のままだ。今季ここまでの戦いを振り返っても、常勝の地盤が緩んでいることは否めない。そんな今だからこそ、勝利に貪欲なベテランは貴重な存在だ。もっと勝てた、もっと勝たなくちゃいけない――。節目を迎えても感慨に浸ることなく、前を向いているはずだ。












