【柏原純一「烈眼」】岡田阪神は開幕3連勝と最高の船出となった。新戦力が思惑通りに稼働し、中でも目を見張ったのがドラフト1位新人・森下翔太外野手(22)だ。「6番・右翼」で3戦連続スタメン出場し、3安打、3打点。岡田監督が前回阪神で指揮を執った際に新人の鳥谷敬を遊撃に抜てきしたように、年間を通じて起用していくだけのメドが立ったのは大きな収獲だ。
初見の投手相手でもタイミングの取り方に非凡さが表れており、広角に打てる器用さ、選球眼の良さも兼ね備えている。もちろん調子の波は訪れるだろうが、そんなに大きな穴は見当たらない。ここまでのようなコンパクトなスイングを継続できれば、打率も2割台中盤から後半は見込めるだろう。
その点から言うと、中大の先輩でもあるDeNAの牧秀悟内野手(24)は同じ右打者としても目指すべき生きた教材だ。牧は1年目から打率3割1分4厘、22本塁打、71打点。必ずバットが内側から出てくるスイング軌道など、打者のタイプとしても類似点が多く、先輩同様に1年目からハイレベルな数字を目指せるだけの素養を持っていると感じた。
守備や走塁もしかり。どんな当たりでも一塁への全力疾走を怠らず、右翼守備も試合前のシートノックから試合同様の強度で内野のカットマンへと返球する。打撃を長所としている選手は、試合前のこの時間帯ぐらいから「今日は打てるかな→打ちたいな→どう打つかな」と思考が打撃で支配されてしまい、シートノックを流し気味にやるケースも見受けられる。だが、森下は「打って、投げて、走ってが野球」という考えが身についており、ルーキーながらプレーに浮き沈みを感じないのも好感が持てる。
長丁場のレギュラーシーズンでは記録と記憶を残す作業も大切だ。アマチュアよりもプロはさらに記憶力が必要になる。人間の記憶は誰でも曖昧なもの。個人的にメモなどで記録しておくことで「ああ、こういうことがあった」と後で振り返ることもできるし、相手バッテリーの配球が幾度もアップデートされていくプロでも随時対応できる力を養うこともできるはずだ。そうすれば何度も同じような凡退を繰り返す選手にはならないだろう。
近い将来、打率3割を何度も達成するような、球界屈指の好打者になるのではないかと感じた。
(野球評論家)












