【グラゼニ球論・金村暁】悔しいメジャーデビューとなりました。1日(日本時間2日)に本拠地のエンゼルス戦で先発したアスレチックス・藤浪晋太郎投手(28)は、初回の立ち上がりは最速160キロの直球に、最後は150キロ前後のスプリットで先頭・ウォード、2番・トラウトを連続三振。2回まで打者6人で4奪三振と完璧だっただけに突然、崩れてしまった3回は残念で仕方ありません。
NPB時代からの課題でもあったことですが藤浪には、1つの四球をきっかけに、大きく崩れてしまう良くない面の傾向があります。大量失点した3回も先頭・レンヒーフォへの四球から。2回までの自分の間合いでノビノビと腕を振っていた姿から一転、その後は直球、スライダーともに制球が甘くなり、連打を食らい、瞬く間に5本の長短打に2四球が絡み8失点。日本以上にわずかなスキも見逃してはくれないMLBの洗礼を改めて受ける形となりました。
昨年まで7年間、一緒に戦った阪神のコーチ時代にも彼には事あるごとに声をかけていましたが、改めて教訓としてもらいたいのは、四球を必要以上に「気にし過ぎない」こと。結果の良し悪しにかかわらず、MLBではより打者一人ひとりに集中する〝前後裁断〟の意識で次回に臨んでもらいたいと感じました。
その部分で鍵を握るのは投球テンポです。藤浪に限らず、投手なら誰でも「打たれたくない」「点を取られたくない」という気持ちが働き、走者を背負うと1球1球の間合いが長くなりがちになります。しかしメジャーには「ピッチクロック」の投球間におけるルールがあり、有走者でも20秒以内(走者ナシなら15秒)で次の投球動作に移らなければなりません。
これは藤浪がこの日、直面した〝課題〟にも通じる部分があります。「切りかえ」や「割り切り」を重視して、余計なことは考えず、1球1球、テンポ良く投げるスタイルを確立できれば、必ずメジャーでも通用するはずです。
2回までの投球で証明したように160キロのフォーシームと、その軌道から鋭く落ちるスピリットは、メジャーでも間違いなく一級品。アスレチックスの先発陣は層が薄く、まだまだ先発でやり返すチャンスは十分にあります。この日のデビュー登板で得た経験を、必ず次回以降のマウンドで生かして欲しいと思います。 (本紙評論家)











