新日本プロレスの内藤哲也(40)が、「NEW JAPAN CUP(NJC)」をリベンジロードに位置づけた。2連勝で8強入りを決め、準々決勝(17日、後楽園ホール)ではSANADA(35)とのロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)同門対決に臨む。2020年のG1公式戦で敗れた雪辱に燃える制御不能男が、決勝戦(21日、新潟・アオーレ長岡)まで見据える青写真とは――。
内藤は11日愛知大会の2回戦でチェーズ・オーエンズを振り切り、SANADAとの準々決勝に駒を進めた。昨年末から不振を極めていたSANADAは、新技の変型DDTでトーナメントを勝ち上がり復活ののろしを上げている。
だが、内藤は「結果を残しているのはいいことだけど、大きく変わったものは近くにいて感じないので。『迷いがない』という言葉が本心なのか、疑問に思う部分はありますね。言うほどスランプだったのかな? 周りが大げさに言ってない?って思いはありますね」と冷静に分析する。
そこで「『次はSANADAが来るんじゃないか』と言われながら、なかなか突き抜けられなかったですから。彼の危機感とか、変化しなきゃというものは感じますし、警戒はしますけど…。だからこそ技以外の部分、気持ちの部分を確かめたいですね、試合で」とリング上で盟友の〝変化〟を見定めるつもりだ。
過去の戦績は1勝1敗。「前回は俺が負けてるんでね。言ってしまえば俺のリベンジマッチですよ、今回は」と腕をぶす内藤は、今後のトーナメントのキーワードに「リベンジ」を掲げる。
開幕当初は同じくLIJの鷹木信悟との決勝を見据えていたが、その鷹木はまさかの1回戦敗退。「去年は決勝戦まで行って優勝できなかったので、SANADA戦で勢いをつけた上で去年のリベンジもしたい。鷹木戦は実現しなかったですけど、こうなると去年(IWGP・USヘビーの)タイトルマッチで負けた(ウィル)オスプレイに準決勝で、去年の決勝戦で負けたザック(セイバーJr.)に今年の決勝戦で勝つのが俺にとってベストじゃないですかね」と、大一番で苦杯をなめた宿敵たちとの対戦を熱望した。
優勝すれば4月8日の東京・両国国技館大会でのIWGP世界ヘビー級王者オカダ・カズチカへの挑戦権も手に入る。昨年の同王座戦で2連敗を喫しており、実現すればこちらも雪辱戦だ。
内藤は21年1月からシングル王座戦で泥沼の5連敗中。ある意味でSANADA以上に苦しんできた男がこの春、たまりにたまった借りをまとめて返済する。