新たなSANADAの誕生だ! 新日本プロレス春のトーナメント「NEW JAPAN CUP」が、5日の後楽園ホール大会で開幕。SANADA(35)がタイチ(42)を下し、2回戦(11日、名古屋)に進出した。昨年末から大スランプ状態にあったが、この日の試合で「迷いはなくなった」と高らかに宣言。これまでのポリシーを捨て去ってでも開発した、新技の変型DDTに込めた決意を明かした。
1月に新軍団「Just 4 Guys」を結成しながら結果を残せていないタイチとの1回戦は、壮絶な意地の張り合いになった。ラウンディングボディープレスでも3カウントを奪えず、打撃合戦で劣勢に陥ったSANADAだったが、おきて破りのブラックメフィストで再逆転。最後は変型DDTで激闘を制した。
試合後はタイチを起こして握手。メインでの勝利後は観客のスマホライトで会場を照らす「ギフト」が代名詞だったが、行うことなくリングを下りて「もう今日の試合で迷いはなくなったよ」と吹っ切れた表情を浮かべた。
長いトンネルだった。昨春に左目の負傷でIWGP・USヘビー級王座を返上すると、以降は低空飛行が続いた。成田蓮、海野翔太ら新世代にフォール負けを喫し、1月の横浜大会で行われたノアとの対抗戦でも征矢学にシングル戦で敗れた。
「築き上げてきたものを一回ぶち壊さないとダメ」と危機感をあらわにし、環境を変える選択肢についても「可能性はゼロではない」と発言。ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのみならず新日本マットからの離脱まで浮上していた。
このままでは終われない。この日初公開された新技には、ある決意が込められていた。クラシカルなスタイルを好むSANADAはこれまで、身体能力に頼ることなく、研さんした技術で基本的な技をいかに美しく見せるかにこだわってきた。2018年7月には「頭から落とすだけがプロレスじゃねえんだよ」と発言し、大技が乱発されていた当時のプロレス界にアンチテーゼを突きつけたこともあった。
そんな男が、あえて相手を頭から突き刺す新技を開発した。取材に応じたSANADAは「もちろんポリシーは大事ですけど、結果が出ない時期を過ごして、そこにとらわれすぎると成長が止まってしまうんじゃないかと思ったんです。環境のことをどうこう言うよりも先に、まずは自分を変える勇気を持たないといけないなと。自分の成長を止めてしまうようなポリシーがあるんだとしたら、それを捨ててでも変わることを選びました」と真意を明かした。
もがき苦しんだ末に、新たな境地を開いた。「結果が出ない時期って誰しもあるとは思うんですけど、考えすぎていたのかなと。極力、無になりたいんですよ。こだわりがあると自然になれないのかなって」。トーナメント制覇、そしてその先にあるIWGP世界ヘビー級王座(現王者はオカダ・カズチカ)奪取へと突き進む。













