【前田幸長・直球勝負】球団初のリーグ3連覇を目指すヤクルト・高津臣吾監督(54)には自信すらみなぎっていた。本人は「そんな簡単なことじゃないよ」と謙遜していたが、3冠王の村上をはじめ中村、山田、高橋奎とWBC日本代表に4人も輩出するなど投打とも戦力はそろっており、今季も優勝候補筆頭であることは間違いない。

 朗報もある。右ヒジ痛で二軍キャンプだった4年目右腕・奥川恭伸投手(21)の状態が急上昇。2021年は9勝4敗、防御率3・26ながら昨季未勝利に終わったが、高津監督は「今、すごい球を投げている。『入団してから一番いい』とファームのコーチから聞いている。痛くないポイントを探しながら投げているので投げ方がいいとは思っていないが、球自体はすごい」とうれしそうに話していた。

 一方で、開幕ローテ入りについては「今は何も考えていない。出てきてくれればいいが、将来、長い野球人生なので今は無理させてもしょうがない」と慎重な姿勢を崩さない。そんなところにも戦力的な〝ゆとり〟が感じられる。

 唯一とも懸案事項は抑えを務めていたマクガフの抜けた穴を誰が埋めるか。高津監督はまだ思案中のようだが、新外国人キオーニ・ケラ投手(29=前ドジャース3A)について「暴れん坊でいい球を投げる。球の力があるし、ハマればいいと思うが、ハマるかどうかがまだ分からない。奇声を発したり、驚かされるところもあるけど、ウチはそれが許されるチームだから全然OK」と期待を寄せている。

 他にも清水、石山、田口ら抑え候補がたくさんいる中で、指揮官のイチ押しは3年目右腕・木沢尚文投手(24)だ。「かなり力がある。ルーキーのときはブルペンでダミー君(打者の構えをした人形)を壊しまくっていたが、今はストライクが入るようになったのが大きい」と目を細めていたのが印象的だった。

 野手では内山壮真捕手(20)を猛プッシュ。昨年の日本シリーズ第2戦で9回無死一、二塁から代打で起死回生の同点3ランを放ち、度肝を抜いた。26日の楽天とのオープン戦では2本塁打を含む4安打で7打点と大暴れ。指揮官は「センスの塊。打撃もいいし、使いたい。村上より打球に角度があって、よう飛ぶ。捕手では中村が元気なうちは出られないから、ファームに置いておくのもったいないし、今、外野をやらせている。チャンスがあればどんどん出そうと思う」と売り出しプランも具体的で、とにかく戦力の充実ぶりには目を見張るものがあった。

(本紙評論家)