【前田幸長・直球勝負】ソフトバンクのブルペンは壮観だった。宮崎春季キャンプ第3クールの最終日(14日)は新戦力のオスナや有原も含めて好投手がズラリ。エースだった千賀がメジャー移籍したとはいえ、先発陣もハイレベルな投手が揃っている。
その中でも私が楽しみにしていたのは、同じ左腕でもあり、これまでも折りに触れて話を聞かせてもらってきた和田毅投手(41)。ブルペン後に声をかけると、こころよく話を聞かせてもらった。今月21日に42歳。38歳で限界を迎えて現役を引退した私からすれば本当に頭が下がる。
今でも強い向上心を持って取り組んでいることが分かる。昨季は自己最速の149キロをマークした。「150キロ出してみたいですね」とまぶしい笑みも浮かべていた。ベテランになると、どうしても体調の異変に対して後ろ向きになる。それこそが衰える原因でもある。2018年に登板なしに終わった左肩痛のことを挙げて「1回死んだ身ですから」と口にしていたが、投げることに限界を決めることなく前向きに練習をやれているという。
昨季は7勝4敗、防御率2・78。シーズン通して投げてこそとの思いが強く、決して満足してなかったものの、素晴らしい成績だ。そして今季はさらなる好成績を残してくれる予感がしている。首脳陣が頭を悩ませている千賀が抜けた後の開幕投手も、現在の調整ぶりを見る限り、経験、実績十分で周囲の投手のお手本でもある和田が適任者じゃないかと思っている。
仮に42歳で開幕投手を務めればパ・リーグ最年長記録更新となる。セ・リーグと合わせても大野豊さん(広島)に次ぐ。前年に1年間ローテーションで投げている投手こそが開幕投手を任されるべきとの思いもあるようで、本人は東浜と石川の名前を挙げて一歩引く姿勢を見せていたが――。「藤本監督に指名されたら?」と私が聞くと「本当に僕でいいんですか? と確認してから、快くやらせていただきます」と笑みを浮かべていた。
ブルペンで投げてるボール自体も素晴らしかったが、何より表情、言葉から充実ぶりがうかがえた。今季どのような成績を残すのか本当に楽しみだ。42歳・和田毅の開幕投手に太鼓判を押したい。
(本紙評論家)












