快挙達成だ。新日本プロレスのミスターこと永田裕志(54)が、史上初の〝シングル完全制覇〟を果たした。

 永田は、全日本プロレス19日の後楽園大会で3冠ヘビー級王者・宮原健斗に挑戦した。試合は序盤から相手の右腕に照準を定めて先にペースを握る。アームブリーカーや蹴りで悶絶させたかと思えば、腕十字で捕獲。相手がロープをつかんでも簡単には離さない執念を見せた。

白目で腕を極める永田
白目で腕を極める永田

 だが中盤には意地の反撃を受け、エプロンでのパイルドライバーや強烈な頭突きをくらい一進一退の攻防に突入。永田も場外でエクスプロイダーを放つなど激しくやり合った。会場に大「ナガタ」コールが発生する中、エルボー合戦を制すると蹴りでなぎ倒した。

 さらに開始約26分にはシャットダウンスープレックスの体勢で捕まるも脱出し、体を入れ替えてワキ固めからの白目式腕固めと攻め込む。その後も王者の意地の反撃を受けたが、耐えきるとリストクラッチ式エクスプロイダーでぶん投げることに成功。これをカウント2で返されると、側頭部を蹴り抜いてから岩石落とし固めで3カウントを奪った。

岩石落とし固めを決める永田
岩石落とし固めを決める永田

 後楽園ホールが「ナガタ」コールで揺れる中、頭を下げた永田。これで新日本のIWGPヘビー級、ノアのGHCヘビー級に続く戴冠となり、史上5人目の「グランドスラム」達成となった。さらに新日本の「G1クライマックス」、全日本の「チャンピオン・カーニバル」、ノア「グローバルリーグ戦(現N―1 VICTORY)」と3団体のシングルリーグ戦の優勝も経験してのグランドスラム達成はなんと史上初だ。

 新たにプロレス界にその名を刻んだミスターは「ここは全日本プロレスのリングだろ? 俺のホームみたいじゃないか。ヘッヘヘ」と笑み。さらに「3冠ベルト取ったぞ!」と叫ぶ。するとそこに現れた石川修司から「俺は今でも自分が全盛期だと思ってやってるよ。永田さん…いや、永田裕志。今日のアンタは全盛期だった。俺と勝負してくれよ。俺の全盛期は超えてえからな」と挑戦を表明されて受諾した。

 天龍源一郎の持つ同王座最年長戴冠記録(52歳2か月)も大きく更新したミスターは「このベルトを持っている限りは、この全日本プロレスを盛り上げます」と宣言。最後に「全盛期はこっちのセリフだ。まだまだ行くぞ。1、2、3、ゼア!!」と叫んで大歓声を浴びた。