巨人2年目を迎えたアダム・ウォーカー外野手(31)がその〝人間力〟で球団方針というカベを打ち破った。宮崎春季キャンプで連日、新助っ人ルイス・ブリンソン外野手(28=前ジャイアンツ)との「クリソツ」ぶりが話題になるなど、G党から熱い声援を受ける助っ人が、その契約内容で球団内を驚かせていた。

 ドレッドヘアーをなびかせる背番号44はブリンソンとともに毎朝、アーリーワークに参加。10日はキャンプ2度目となる休養日を過ごし猛練習に向けて英気を養った。

 来日1年目となった昨季は送球難に苦しみながら、亀井コーチとの二人三脚で成長。124試合で打率2割7分1厘、23本塁打、52打点の好成績を残した。
 
 残留が基本線だったものの球団関係者を驚かせたのが、助っ人として2年ぶりとなる複数年契約を勝ち取ったこと。昨季9人いた助っ人でただ1人残留となったウォーカーは推定年俸1億円で2年契約を結んだ。

 複数年契約は2020年オフにジャスティン・スモーク内野手との推定年俸3億1000万円での2年契約以来。21年オフはウォーカーを含む新助っ人4人全員が単年契約だった。

 そのスモークがまさかの6月に帰国し途中退団となったこともあり、球団は「助っ人の気の緩み防止」「日本人若手選手の台頭にフタをしない」という2つの目的から単年契約方針に舵を切った。だがウォーカーの実力と人柄がその決断を再考させた。

「帰国を遅らせて秋季キャンプの一部に参加したように、ウォーカーの真面目な性格なら2年契約を結んでもサボることはないと判断されたそうです。同じ理由で年俸が(3400万円から1億円に)跳ね上がったのは、出来高でニンジンをぶらさげるのではなく、本給をしっかりと上げることにしたと聞いてます」(球団スタッフ)

 まさに異例の信頼ぶりだが、ウォーカーも球団側の意気を肌で感じている。「ウエートトレーニング中心の筋トレと有酸素系の運動とそれにバッティングとか守備とか技術的な練習をしてきた」とオフに米国で鍛え抜くと、「去年は最初はベンチスタートだったので、今年の最大の目標は故障せずに1年間、シーズンを通してプレーをする」と飛躍の年にすることを誓っている。

 守備でのダイビングキャッチやヘッドスライディングなど危険を顧みず、常に全力プレーを心掛けるウォーカーの存在が、一度は決まった巨人の球団方針を大きく動かした。