侍ジャパンにとって「難敵」となるのか。3月開催の第5回WBCで、日本と1次ラウンド同組で出場する韓国に、気になる動きがあった。代表に選出されていたMLB通算61本塁打の崔志万内野手(チェ・ジマン=32・パイレーツ)が球団側から大会出場を許可されず急きょ離脱。現役メジャー大砲の不参加で韓国国内に落胆ムードも漂う中、代替で代表入りしたのが崔知訓外野手(チェ・ジフン=25・SSG)だった。この男、愛国心の強さから日本にとって危険な存在になりかねない。
パイレーツは所属する崔志万について、昨年11月に右ヒジの骨片除去手術を受けたことなどを主な理由として、WBC参加を容認しないと韓国側へ通達。韓国が誇るMLB大砲の不参加に同国国内のSNS上では嘆き節が飛び交った。
その代替選手として白羽の矢が立ったのは、韓国プロ野球のSSGに所属する崔知訓。昨季は全144試合に出場し打率3割4厘、10本塁打、61打点、31盗塁をマーク。守備力にも定評があり、走攻守を兼ね備えた、KBOきっての若手外野手として注目を集めている期待の実力派だ。
一塁が本職で大砲の崔志万とは違うタイプだが、崔知訓の代替選考理由について、KBO・趙範鉉(チョ・ボムヒョン)技術委員長が韓国メディア「ハンス(韓国スポーツ)経済」に語ったところによれば「代表チームのスタッフから高い評価を受けていた」とした上で「最終30人のリストを決めた時、代表チームのコーチ陣から選ばれず最も残念がっていた選手が実は彼だ。勝負にいかなければならない時、特に試合後半の突発的な状況で代走や守備の要として起用できる存在。われわれは一塁手をもっと選ぶよりも活用の幅の広い選手を選抜したほうがいいと判断した」と説明している。
トップチームとしては念願の初代表に選ばれた崔知訓は韓国の各主要メディアに「代表チーム抜てきの知らせを聞いて真っ先に両親に連絡した。両親に感謝する」と興奮を隠し切れない様子でコメント。そしてこれから背負う太極マークの重さをかみ締めるかのように直立不動の姿勢を保ちながら「国家代表として私は今日をもって非常に重い立場を任された。責任感も伴う。それぞれの国の中で野球が優れた選手たちが集まって競い合う大会なので、本当に最善を尽くして勝てるように全神経を集中させたい」と現代の若者にしては“激アツ”の言葉も口にしている。
韓国の誇りを胸に刻み、夢にまで見た太極旗の代表ユニホームを着て戦う。そんな愛国心旺盛な崔知訓の代表入りを、日本サイドはどう見ているのか。
侍ジャパン関係者は「今大会からWBCはルール変更となり、タイブレークも延長11回から前倒しで延長10回から二塁で行われるようになる。その点も踏まえ、韓国側は俊足巧打の崔知訓を終盤で投入する“ジョーカー”として抜てきしたようだ」と分析。ただ、その性格の方が気になるようで「いまどき珍しい、かなりの“タカ派”で熱い性格の持ち主と聞いている。近年の韓国代表はどちらかといえばおとなしい面々ばかりだったが、韓国を誰よりも愛し血気盛んで、かつムードメーカーの崔知訓がベンチに入ればベンチ内のムードも一気に激変する確率が自然と高まっていくのでは」と話した。
かつての韓国代表では李容圭(イ・ヨンギュ=キウム)が、強烈な愛国心を発揮してチームの精神的支柱となったが、韓国国内では日本に対して目覚ましい活躍をした選手は「義士」として英雄視される。侍ジャパンは韓国と3月10日に東京ドームで相まみえる。打倒・日本にも前のめりになってきそうな義士・崔知訓には要注意だ。












