ガリ勉の成果はいかに。巨人・大久保博元打撃チーフコーチ(56)が宮崎キャンプを席巻中だ。3日には同コーチが主唱したアーリーワークに助っ人勢も初参加し、15種類のケース打撃を行った。V奪還へチームに猛練習を課している〝デーブ〟コーチだが、宿舎に戻れば自身も部屋で猛勉強中だという。いったいどういうことなのか…。

 アーリーワークでは、1球ごとに状況が変わる15種類のケース打撃が行われている。新助っ人ルイス・ブリンソン外野手(28=前ジャイアンツ)は「特にファウルボールをわざと打つというのが非常に難しかった」と〝初体験〟を振り返った。

 昨年の秋季練習で大久保コーチの提案を原監督が快諾。春は午前7時からティー打撃での打ち込みとケース打撃にチーム全員で取り組んでいる。

 練習中は精力的にナインを叱咤し、モチベーションを上げている大久保コーチ。もちろん言葉だけで人はついてこない。自室では人知れずデータと「にらめっこ状態」が続いているという。

「キャンプまでは指導に使うため、選手のオフの取り組み方のリポートを整理していたのと、対戦相手の投手データを分析した。セ・リーグ先発投手の分析はキャンプ前に何とか終えて、宮崎では中継ぎに取りかかっている」と同コーチは明かした。

「昨季に1試合でも投げた投手は全員、研究する。スコアラーに協力してもらいチャートを見て、それから映像と合わせる。各投手の対策は選手に分かりやすく説明するため、文字化する必要がある。これがけっこう大変な作業」(大久保コーチ)

 1995年に巨人で引退した大久保コーチだが、指導者としては2008年の西武から15年の楽天まで主戦場はあくまでパ・リーグ。昨季まで野球解説者として試合は見ていたが「実際に選手に打席で攻略させるためには、この作業が必要」(同)と一からセを勉強し直しているという。

 もちろんその作業量は膨大だ。昨年セ王者のヤクルトを例にとっても一軍で登板した30投手のウチ、中継ぎは15投手になる。新入団や新助っ人も加わり、5球団分の投手データはとてつもないモノとなる。

 さらにシーズンでは交流戦前にパのデータ分析も必要と、その作業に終わりはない。普段の練習中は大声で豪快に笑う大久保コーチだが、戦術面に関しては極めて冷静な一面を合わせ持つ。大久保コーチのガリ勉の成果が今季の巨人の打撃成績に大きく関わってきそうだ。