〝魔界の住人〟グレート・ムタが現世を去った。

 ノア22日の横浜アリーナ大会でラストマッチに臨んだムタは、ライバルのスティング、そのパートナーであるダービー・アリンとトリオを結成。白使、AKIRA、丸藤正道組と対戦した。

 ムタが初めてこの世に姿を見せたのは1989年4月2日、米ルイジアナ州ニューオリンズでのスティーブ・ケーシー戦だった。グレート・カブキの息子としてデビューしたムタは、その不気味なたたずまいと華麗な動きで米ファンを魅了。当時WCWでエースだったスティングの対角にあっという間にたどり着くと、そのままライバルとして激闘を展開し、全米規模の人気レスラーになった。

 入場ではまずカブキが登場し、ヌンチャクを披露してから毒霧を吐き息子を招き入れる。そしてスケートボードを持ったアリン、バットを手にしたスティングに続いてムタが登場だ。リングに上がり、コールを受けて頭巾を脱ぐと「ByeBye」と白い文字を施した黒いマスクが現れた。

 試合は先発したムタが白使とにらみ合って緑の毒霧を噴射。グラウンドの攻防を見せてから、スティングとタッチして会場をどよめかせた。その後は徐々に白使にロックオンして、場外乱闘ではそのセコンドが持っていた「愚零闘武多」と書かれた卒塔婆をヒザで叩き割り、額に突き刺し流血させる。

 だが、中盤には爆弾を抱える右股関節を叩くような仕草を見せ、動きを鈍らせる場面が…。そこから敵軍につかまり集中攻撃を受ける場面もあったが、仲間の援護もありなんとか脱出した。

 終盤には拝み渡りから着地した白使に毒霧を噴射し、視界を奪い閃光魔術弾を発射。そこにスティングのスコーピオンデスドロップ、アリンのコフィン・ドロップと援護射撃を受けてから再び閃光魔術弾で3カウントを奪った。

試合後、白使(左)の血で「完」の文字を書いたムタ
試合後、白使(左)の血で「完」の文字を書いたムタ

 さらに倒れる白使を卒塔婆で追撃すると、額の血を指にとり「完」と記す。そのまま花道を引き上げたムタは、コールを受けると緑の毒霧を吹き上げて、霧の中に姿を消した。

 その後、車いすに乗ってコメントスペースに現れたムタは「バイバイ、エブリワン」と別れを告げる。「ムタのおかげで高め合うことができた」と話すスティングに「サンキュー・バット・ノーモア」とポツリ。最後はアリンを「ヤングボーイ!」と呼びつけると車いすを押すように指示し、その場を去った。