天国の〝燃える闘魂〟にささげる――。新日本プロレスの年間最大興行「レッスルキングダム17」(4日、東京ドーム)でオカダ・カズチカ(35)が王者ジェイ・ホワイト(30)を破り、IWGP世界ヘビー級王座を奪回した。昨年10月1日に死去した団体創設者・アントニオ猪木さん(享年79)の追悼大会を「1、2、3、ダーッ!」で締めくくったレインメーカーは、新たな野望も秘めている。猪木さんの〝正統後継者〟を示す「選手兼社長」への本気度を明かした。
猪木さんをほうふつとさせる黒のタイツとリングシューズ姿で登場したオカダは、天敵のジェイに苦戦を強いられた。しかし、おきて破りのブレードランナーで戦況をひっくり返すと、変型ドライバーからレインメーカーを炸裂。昨年のG1クライマックス覇者が頂上決戦を制した。
猪木さん追悼大会のメインで主役に返り咲いたオカダは2万6085人の観衆と「1、2、3、ダーッ!」の大合唱。「これが猪木さんの見ていた景色なんだなって。すごくいいものを見られたなと思いますね。今ごろ天国で『勝手に使ってるんじゃねえ』って怒ってるかもしれないですけど」と笑みを浮かべた。
生前に熱望していた来場はついにかなわなかった。だが「亡くなって改めて偉大さを感じましたね。プロレスだけじゃない、議員さんだったり、異種格闘技だったり、いろいろなことをして。プロレスラーだけどプロレスラーだけの枠で生きていなかったなと」と胸中を明かした。
リングの外でも「燃える闘魂」であり続けた偉大さを実感するにつれ、オカダ自身もひそかに興味が湧いてきたことがあるという。猪木さんが1972年から89年7月まで務めた社長業だ。
歴代の新日本で選手兼社長を務めたのは猪木さん、現相談役の坂口征二氏、藤波辰爾の3人だけ。オカダ社長が実現すれば正真正銘、猪木さんの〝後継者〟となるが「それはそれで絶対かっこいいじゃないですか。プロレス団体の社長って世に出なきゃいけないことも多いですし、そこに選手が出てきても面白いと思います。団体の代表というか、顔にもなりますし。僕の師匠のウルティモ(ドラゴン)さんも分かりやすい(闘龍門)代表でしたし、そういうもの(目標)ってあってもいいんじゃないかなと思います」と真剣な面持ちで語った。
近年のプロレス界ではかつてのように、レスラーが社長を務めるケースが激減。経営は〝背広組〟に任せるのが主流となっている。それでも「昔は親会社もなく、ちゃんと管理されてないから、レスラーが社長というのがダメだったってだけで。今はお金の勘定もしっかりしていかなきゃいけないじゃないですか。親会社がいるからこそ、できることじゃないかなと思います」と持論を展開する。
さらに「逆に、またレスラー目線も大事な時になってきたのかなって。今はビジネス目線になりすぎてしまっている部分もあると思うんですよ。そうなれば引退したとしてもプロレスといられますし、みんなを良くしていけるのかなって」とも語った。
もちろん即座に実現に向けた動きを考えているわけではないが「アントニオ猪木」という偉大な存在は、オカダのプロレス人生に大きな影響を与えたのは事実だ。「100年、200年、新日本プロレスが続くようにまだまだ盛り上げていきます」。真の〝ポスト猪木〟となる日は訪れるのか。












