新日本プロレス4日の東京ドーム大会に元WWEスーパースターのサーシャ・バンクスことメルセデス・モネが登場。元WWEのIWGP女子王者KAIRIに挑戦状を叩きつけて衝撃を呼び、「サーシャバンクス」が一時、ツイッターのトレンド入りした。

 このサーシャ・バンクスとは何者か? カリフォルニア州出身で、2010年にプロレスデビュー。いとこは何と、米超大物ラッパーのスヌープ・ドッグだ。大のスポーツ好きとして知られるスヌープは、プロレスにも造けいが深く、WWEやAEWのリングに登場し、2016年にはWWE殿堂入りを果たした。昨年は2月のNFL「スーパーボウル」ハーフタイムショーに出演して注目を集め、あの「BTS」とも楽曲で共演した。

 そんな国民的スターを近親に持つサーシャは、12年にWWE入りすると、その美貌と激しいファイトで人気を集めて活躍。WWE女子王座、ロウ女子王座、スマックダウン女子王座、WWE女子タッグ王座など主要ベルトを総なめにした。16年の祭典「レッスルマニア32」では、スヌープがラップを披露した後、一緒に花道を歩いて入場する〝夢の共演〟が実現し、大きな話題を呼んだ。

 俳優としても「スター・ウォーズ」のドラマシリーズ「マンダロリアン」に出演。WWEのメインロースターとして順調なキャリアを築いていたが、昨年5月にバージニア州ノーフォークで行われたロウ大会で大きな転機があった。女子タッグ王者だったサーシャは、パートナーのナオミとともに、当時WWEタレント部門を仕切っていたジョン・ローリネイティス氏(ジョニー・エース)のオフィスに乗り込み、ベルトを置いて大会中に帰ってしまったのだ。

 この日、サーシャはロウ女子王座挑戦権がかかった6WAY戦に出場を予定していたが、試合をドタキャン。人気レスラーの〝職場放棄〟として、米メディアが報じる大騒動となった。

 これはタッグ王者として十分な扱いを受けず、シングル戦線に組み込まれたことで不満が爆発したとされている。その後、米メディアにWWE復帰をさかんに報じられたが、4日にツイッターに「サンキュー、WWE」と投稿。WWEとは契約が切れてフリーとなり、新たにIWGP女子王座を標的に選んだ。

 ベルトへの強いこだわりを見せてきた元サーシャだけに、IWGP女子王座取りも本気だ。