新日本プロレス4日の東京ドーム大会で、ノアの武藤敬司(60)が古巣ラストマッチに臨んだ。

 武藤は2月21日東京ドーム大会で現役生活にピリオドを打つ。最後の新日本マット参戦となったこの日は、棚橋弘至、海野翔太と組んで内藤哲也、SANADA、BUSHI組と対戦した。

 先発で対峙したかつての教え子・SANADAにいきなりラウンディングボディープレスを決められた武藤は、なんと自身もムーンサルトプレスを狙いにいく。しかし発射寸前でパートナー・棚橋がドクター代わりに制止。しぶしぶとコーナーポストを降り、フラッシングエルボーをSANADAに投下した。

 さらになぜか解説席の蝶野正洋とがっちり握手をかわした武藤は、BUSHIにシャイニングウィザードを発射。海野の勝利をアシストし、新日本最後の試合で貫禄を示した。

BUSHI(中央)にシャイニングウィザードを決めた武藤敬司
BUSHI(中央)にシャイニングウィザードを決めた武藤敬司

 試合後は「久しぶりの東京ドーム、試合より入退場の長さに参ったよ…。ただ猪木さんの(追悼)イベントも兼ねているということで、本当は卍固めとか狙ってたんだけど、そういう余裕与えてくれなかったな。せっかちなプロレスして」といつもの武藤節がさく裂。「1か月後に引退控えてるからさ。なんか今日、いい形で東京ドームを吸収することができたよ」と、引退試合への予行練習として手ごたえをつかんだ様子だ。さらに棚橋からは東京ドームでの思い出を聞かれ「2009年、お前とここでやって俺が負けたことだよ」と苦笑いを浮かべた。

 試合中にムーンサルトプレスを棚橋に制止されたことを質問されると「あの一瞬で走馬灯のように医者の顔とか家族の顔とか浮かんできてよ…。止めてくれてよかったよ」とニヤリ。かつての付け人・棚橋と軽妙なやり取りで報道陣を笑わせていた。