【赤坂英一 赤ペン!!】ロッテ・佐々木朗希、エンゼルス・大谷翔平の「160キロリレー」は実現するのか。2023年3月に開催される第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、大きな興味の一つがこれである。
侍ジャパンの「二刀流」と「令和の完全試合投手」がバトンをつなぎ、得意の剛速球で世界の強打者をキリキリ舞いさせる。想像するだけでワクワクしてくるではないか。
決して実現性の乏しい話ではない。大谷は22年10月、帰国後の会見で自らリリーフ登板の可能性に言及。「先発なら60~70球投げられるようにしないといけないが、そうじゃない(中継ぎか抑え)なら(調整を)早めなくていい」と前向きな姿勢を示している。
大谷は日本ハム時代、栗山監督の下でシーズン中3度、CSで1度リリーフを経験し、いずれも無失点。DHや外野からマウンドへ上がると、160キロの真っすぐで打者を封じ込み、スタンドを沸かせている。リリーフの適性なら申し分ない。
一方、佐々木朗の起用法は先発に限定される見通しだ。栗山監督は「真っすぐとフォークで抑えもできる」と言いながら、11月の強化試合は先発に指名。佐々木朗の所属するロッテ・吉井監督が投手コーチを務める事情からも、連投もあるリリーフ起用は避けるはず。
WBCの球数制限は1次ラウンド65球、2次ラウンド80球、準決勝以降も95球まで。50球以上で中4日空けなければならないなど、登板間隔も厳密に決められている。佐々木朗にとっては、先発のほうが安心して投げられるわけだ。
ただし、WBCは短期決戦。大船渡時代の19年に岩手県大会決勝の登板を回避して以降、佐々木朗は一発勝負の大舞台を経験していない。
「初の大勝負となるWBCで勝てるかどうかが、彼の野球人生に大きな影響を与えるでしょう」と、佐々木朗をよく知る球界関係者は言う。
「佐々木朗はまだまだメンタルが弱い。初の2桁勝利がかかっていた22年の最終登板も、相手がソフトバンクだったからか、最初から浮き足立って、みすみす勝ち星を逃した。WBCでは、岩手の先輩・大谷を見習って、強い相手に果敢に向かっていく姿勢を学んでほしいものです」
大谷は22年、投打にわたる活躍で下位に低迷するエンゼルスを引っ張った。その大谷は佐々木朗にとって、同じ背番号17を背負うあこがれでもある。ともにプレーすることで、佐々木朗が成長するか否か。これもWBCの隠れた見どころの一つかもしれない。
☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。日本文藝家協会会員。最近、Yahoo!ニュース公式コメンテーターに就任。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」「プロ野球二軍監督」(講談社)など著作が電子書籍で発売中。「失われた甲子園」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。他に「すごい!広島カープ」「2番打者論」(PHP研究所)など。












