【WBCメンバー予想・投手編】3大会ぶりの世界一奪回を目指す侍ジャパンに期待が高まっている。エンゼルス・大谷翔平投手(28)とパドレス・ダルビッシュ有投手(36)、カブス・鈴木誠也外野手(28)らが2023年3月開催の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への参加意思を表明。NPBの選抜メンバーだけでなく、MLBで活躍する大物たちも続々と加わることになりそうな栗山監督率いる野球日本代表には「歴代最強」との声もある。そんな日本を他のWBC参加国はどう見ているのか。台湾の人気スポーツジャーナリスト・雷明正氏が忖度なしでメンバーを予想し、分析した。

 本音を言えば、日本がうらやましい。大谷だけでもインパクトがあるのに、ダルビッシュ、鈴木までWBCへの参加意思を表明した。3人の日本人メジャーリーガーに加え、カージナルスのラーズ・ヌートバー外野手(25)、ガーディアンズのスティーブン・クワン外野手(25)の日系メジャーリーガー2選手も招集されれば、次の侍ジャパンはとんでもない「最強チーム」が結成される。

 ダルビッシュという「中核」の投手が入り、先発ローテーションの人員も余裕ができた。これまでエース格になるとみられていた山本由伸(24=オリックス)を2番手にするのもいいし、ダルビッシュが一歩引く形で「エース・山本」の路線を変更せず押し通してもいい。悩ましいのは二刀流・大谷の起用法だが、ギリギリまで栗山監督と吉井投手コーチは熟考するだろう。

 ただ、一つ言い切れるのは短期決戦を戦う上で「投手・大谷」は非常に便利な扱い方ができる。先発起用なら球数制限があるから早い段階での降板となり、中4日ないし中5日でレギュラーシーズンより登板間隔が短くなっても二刀流の負担は少ない。ウワサされるストッパー起用でも160キロ超の速球と落ちる球を持つ大谷なら相手は脅威だ。前後どちらでも使えるし、むしろ短期決戦用にユーティリティー的なポジションに置くかもしれない。

 ソフトバンクから海外FAでメッツ移籍の千賀滉大(29)の参加はおそらく困難だ。森下暢仁(25=広島)も今オフの右ヒジ手術の影響で招へいは不可能。それでも佐々木朗希(21=ロッテ)、宮城大弥(21=オリックス)のパ・リーグを代表する若手2枚が揃う。22年ノーヒットノーランをやってのけ、侍ジャパンの一員として強化試合のオーストラリア戦で快投した左腕・今永昇太(29=DeNA)もいる。

 個人的には先発候補に侍の強化試合でも好投したヤクルトの左腕・高橋奎二(25)を加えたい。日本シリーズでも2年連続で素晴らしい投球を見せており短期決戦に強い。ロングリリーフも可能な「第2先発」で使えるし侍投手陣のキーマンになると予想する。

 中継ぎは青柳晃洋(29=阪神)を入れたい。彼のような変則投手は国際試合で不可欠。三振が取れる戸郷翔征(22=巨人)も面白いと思う。日本ハムの伊藤大海(25)も東京五輪で安定感を見せただけに確定だ。制球力のある高橋宏斗(20=中日)も捨てがたい。

 プロ4年目でブレークした湯浅京己(23=阪神)とセ新人王の大勢(23=巨人)、それに楽天のストッパー・松井裕樹(27)は大谷の抑えプランとの兼ね合いもあるが、守護神候補に入ってくるはず。東京五輪で守護神を務めた栗林良吏(26=広島)もリリーバーの要として外せない。

 悩み抜いてMLB挑戦を断念した元侍守護神のDeNA・山崎康晃(30)は経験値の高いクローザーだ。ただ彼は侍ジャパンで前回招へいされた東京五輪での登板を一つの目標としていた。区切りととらえ、次のWBCは「ない」とみる。
 日本一のオリックスには宇田川優希(24)や山崎颯一郎(24)、日米通算213セーブの平野佳寿(38)が「勝利の方程式」に名を連ねる。ここからチョイスするのも面白い。平野のように対MLB打者の対戦経験を重視するなら前ヤンキースの田中将大(34=楽天)も先発と中継ぎでの起用がニラめる「便利屋」として候補に入ってきそうだ。

☆らい・めいせい 1987年6月25日生まれ。台湾・台北市出身。2015年に台湾メディア大手「三立新聞グループ」に入社し、編集兼スポーツ番記者として活躍。18年に中国系メディアで経済番記者を務め、19年に今日新聞(NOWNEWS)へ。野球担当として健筆を振るう。20年4月から「CNEWS」で政治部記者として活躍し、現在は新北市市議員・林秉宥氏(与党・民進党)の秘書を務めている。一方で「台湾イレブンスポーツ」でも野球中継の解説者として軽妙なトークを繰り広げるなどスポーツライターの活動も継続中。「最も日本プロ野球に詳しい台湾人」として知られ、幅広い人脈を生かした鋭い分析と辛口批評が持ち味。「台湾の六角精児」の異名も持つ。