V奪還に向け、打撃力向上を託された巨人のデーブこと大久保博元打撃チーフコーチ(55)に新たなミッションだ。助っ人で唯一残留したアダム・ウォーカー外野手(31)にメンタル面での懸念材料が浮上。抜群のコミュニケーション力を誇る同コーチの〝助っ人操縦術〟に、大きな期待がかかりそうだという。

 巨人は今季まで選手契約を締結していたゼラス・ウィーラー氏(35)と今月20日に「編成本部長付特別補佐兼打撃コーディネーター」として1年契約を結んだ。一~三軍野手への技術アドバイス、外国人選手への技術および日本野球への適応などのアドバイス、球団からの要請によるスカウティング業務を担当することになる。

 ウィーラー氏への期待は新外国人だけではなく、来季で2年目となるウォーカーのケアも含まれる。だが打率2割7分1厘、23本塁打、52打点と活躍した優良助っ人には心配の種もあるという。チームスタッフは「今季、ウォーカーとポランコはお互いに励まし合って成績を伸ばした。相棒がいなくなってウォーカーのメンタルは大丈夫だろうか」と今オフに自由契約となったポランコの影響を心配する。

 コロナ禍による来日遅れの対策として巨人は2月に米国・アリゾナでミニキャンプを敢行。そこで日本での成功を誓い合うなど両助っ人の絆は深かった。本塁打を打てばお互いに大喜び。ベンチの出迎えでは最後に大ジャンプでのハイタッチでチームを盛り上げただけに、喪失感の大きさは想像に難くない。

 通訳はいるものの言葉の壁もあって、試合中の助っ人はどうしても孤独になりがちだ。ベンチ入りできないウィーラー氏に代わって力となりそうなのが、デーブこと大久保コーチだという。

「アーリーワーク」の導入など次々と改革の手を打つ同コーチの原点は、西武時代の米国への野球留学。現地で「デーブ」のあだ名を得た同コーチは、これまでも英語で助っ人たちとコミュニケーションをとってきた。

 球団も自然に「外国人担当」と認識したそうで、「巨人時代の1994年に日本一になって銀座パレードがあったんだけど、なぜか自分だけ(当時助っ人の)ダン・グラッデン、ヘンリー・コトーと一緒の〝外国人カー〟だった。同じカタカナのデーブだからいいだろうって」と大久保コーチは豪快に笑った。

 指導者として西武、楽天で助っ人と直接、対話をしてきた同コーチはウォーカーとも秋に積極的に会話。「ウォーカーは向こう(米国)では思った野球ができなかったけど、今は最高の待遇でやれていると言っていた。秋だけで打撃がだいぶ良くなったよ」(同コーチ)と性格を十分に把握したうえで、士気を高めていくつもりだ。

 新たに外国人野手も獲得予定で、日本野球にすぐになじめるかどうか大久保コーチの役割は大きい。チームの得点力アップと並行して、大久保コーチの会話力に注目が集まりそうだ。