巨人・坂本勇人内野手(34)が過渡期を迎えている。不動の遊撃手として長年チームを支えてきたが、今季は計3度の故障離脱。原監督は来季のコンバートを否定し、加齢との戦いにもなる今後も活躍し続けるためのカギは何か。42歳まで23年間プレーし、遊撃部門でゴールデン・グラブ賞を6度受賞した川相昌弘総合コーチ(58)が明かした〝長寿〟の秘けつは――。

 故障に苦しんだ1年だった。出場は81試合にとどまり、レギュラーに定着した高卒2年目(2008年)以降では初めて規定打席に届かなかった。

 川相コーチ「本人にしか分からないところだと思うけど、若い時だったらこんなことでケガをしなかったとか、自分にしか分からない体の感じ方とかはあると思う。若い時からずっと試合に出ていて、2000安打も打って2000試合までももうちょっと(1985試合)。それだけ体を酷使しているわけで、長年の勤続疲労はあると思う」

 原監督は来季の坂本の起用法について「逃げさせない。ショートで生きるしかない」と遊撃で勝負させる考えだ。今月14日で34歳。42歳まで現役を続けた川相コーチは加齢とどう向き合ってきたのか。

 川相コーチ「うまく付き合いながら、できることをやるしかない。僕の経験では体重のコントール。晩年はやっぱり体重が落ちにくくなった。若い時はシャープでも、それなりに肉が付いてくる。僕が現役の時は『75キロ』をギリギリのラインにしていた。それ以上増えると、特に脚への負担がかかってアクシデントが起きる可能性が高くなる。なので、僕の晩年は体重を増やさないことだけを必死に努力していたね」

 自分の体に適した体重の上限を設定する。単純そうだが、体が資本の野球選手は食べながら練習もこなす必要がある。

 川相コーチ「現役の時は食べないと動けない。そんなに我慢できないよ(笑い)。若い時からみんなずーっと節制、節制でいろいろ我慢してやってきて、ベテランになると『まあ、ちょっとこれくらいはいいか』という部分も出てくるわけよ。ちょっとお酒の量が増えたりとかね。そうすると、若い時より代謝は悪いから体重が落ちにくくなる。勇人の場合は分からないけどね」

 そうしたせめぎ合いの中でも自主トレ期間を含め、いかに動ける体を維持してきたのか。

 川相コーチ「適度に休んでマメに動く。ウエートトレーニングのほかに脂肪を燃焼させる持久系のものを入れて、体重が増えすぎないようにしていたね。ロードに出て1時間くらい歩いたり、走ったり。30分以上動かないと脂肪は燃焼し始めないから、その後に15~20分くらいジョギングをしてダッシュをするというのが定番だった。いくら(筋力)トレーニングをしても、急に20代の体に戻ることはない。やる内容だろうね」

「ケガをしない体づくり」をテーマに掲げ「年齢も重なり(練習の)強度よりもバランス良く」と話していた背番号6。大先輩の経験談は現役を長く続ける上で大きなヒントになりそうだ。