【赤坂英一 赤ペン!!】巨人でアーリーワークをやるのはいいが、ケガ人が出たらまた叩かれるんじゃないか。デーブ大久保打撃チーフコーチの周囲でそう心配する声をよそに、本人はこう明るく笑い飛ばしている。
「大丈夫、大丈夫。西武でも楽天でもアーリーをやってきたけど、ケガ人はひとりも出してませんから。昔からお医者さんにも意見を聞いて、このくらいなら大丈夫、もうちょっとできるかなと、そういう話をして練習量を決めてるんですよ」
その西武の打撃コーチ就任を決めた2007年オフの逸話がひとつ。渡辺監督(現GM)に入閣を要請された当時、評論家兼人気タレントだったデーブ大久保の年収は約2億円と言われた。個人事務所のスタッフを抱えた身で、収入激減を覚悟の上で受諾したのだ。そのことを巨人・原監督に電話で報告すると、こう励まされた。
「よし、よく決断した! それを聞いた途端、俺の中で、デーブの格が1枚も2枚も上がったよ!」
原監督はこのころから、大久保コーチに指導者の素質があると感じ取っていたのかもしれない。
西武では大久保コーチ就任1年目の08年、優勝と日本一を達成。チーム本塁打数198、同打点693はリーグ1位、同打率2割7分は同2位という好成績だった。打線の要、片岡と栗山の1、2番コンビはともに167安打で最多安打のタイトルを獲得している。
しかし、デーブ式の猛練習は、選手以上に本人の体力を消耗させる面もあるらしい。二軍コーチに配転となった10年は、西武第二球場近くにマンションを借りて、朝4時起床でアーリーワーク。二軍戦、夜間練習も指導していたら、血尿が出て腎臓結石と診断された。体重が20キロ以上減ったのもこのころである。
今回は大久保コーチにとって、楽天監督を辞任した15年以来7年ぶりの現場復帰。そこへ15年のドラフト1位で楽天に入団したオコエが移籍してきたのは、何かの巡り合わせだろうか。
オコエの入団時、つきっきりで指導していた、というより散々手を焼いていた池山打撃コーチ(現ヤクルト二軍監督)と大久保コーチは、昔からじっこんの間柄だ。オコエの潜在能力も欠点や課題もしっかり把握して再教育にかかるはず。
振り返れば、西武ではさまざまなトラブル、楽天でもフロントの現場介入があって、指導力を目いっぱい発揮したとは言いがたい。その大久保コーチが巨人とオコエをどう変えるのか、今から楽しみだ。












