「ストップ・ザ・菊池」はなるか――。巨人の新副主将・吉川尚輝内野手(27)は来季の個人目標の一つにゴールデン・グラブ賞(GG賞)を掲げている。10年連続同賞受賞中の広島・菊池涼介内野手(32)に挑戦状を叩きつけた形だが、そんな背番号2に川相昌弘総合コーチ(58)は「吉川には他の人がアウトにできない打球をアウトにしてほしい」とより高いハードルを課した。
吉川は13日に都内の認定NPO法人フローレンスを訪問。経済的に困窮する子どもたちを援助する食料品の梱包作業に参加した。今季の得点数と盗塁数に応じて80万円を同法人に寄付した吉川は「こういう活動して僕たちが少しでもサポートしていければ」と話すと「来季は全試合に出られるように」と顔を上げた。
その吉川は今月6日の契約更改会見で「(来季は)個人としては(打率)3割と(二塁手で)GG賞を目指していきたい」と菊池へ宣戦布告した。
今季、デルタ社が定める守備指標アルティメット・ゾーン・レイティング(UZR)では吉川が11・0、菊池が6・2とすでに上回っている。だが失策数では菊池の3に対して吉川は11と差がつき、投票でも菊池の114票に3位の71票と及ばなかった。
守備範囲が広いことは諸刃の剣でもある。普通なら追いつけない打球に吉川が追いついて、悪送球となったケースもあった。GG賞受賞だけを考えるなら〝安全第一〟がもっとも近道だが、今秋から吉川の守備を指導する川相コーチは「捕れる打球だけアウトをしっかり捕るのは当たり前のことだけど、吉川にはプロとして何かこだわりを持ってほしい」とさらに上を求めた。
どういうことなのか。現役時代6度のGG賞(遊撃)を誇る名手は「吉川には他の人がアウトにできないボールをアウトにしてほしい。前の方の難しいゴロだったり、どんな打球でも捕ってアウトにしてあげるというのがチームにとってもピッチャーにとってもプラスになる。ファンへのアピールの部分もある。その部分を吉川にはこだわってほしい」と身体能力を認めるだけに〝攻めの守備〟を期待する。
同コーチはGG賞獲得には守備力以外の要素も必要と見ている。「菊池も来年33(歳)になるし、元気なうちに追い越さないといけない。投票はイメージも大事になる。試合に出続けて不動のレギュラーにならないと打ち破ることはできない。吉川も毎年、フルに出ていたわけじゃないからそこが一番大事」と、より多く試合に出場するためにも安定した打撃成績が肝心とした。
今季の吉川は自己最多の132試合に出場し自身2度目となる規定打席に到達。打率2割7分7厘、7本塁打の成績を残した。来季からは副主将として新主将・岡本和をサポートする吉川が、果たして川相コーチの期待に応えて菊池の牙城を崩せるか。












