竜の未来の大砲候補を輝かせることができるか。来季から中日の一軍打撃コーチを務める和田一浩氏(50)が26日にナゴヤ球場での秋季練習にスーツ姿で訪れ、初めて指導を行った。チーム本塁打、得点とも12球団ワーストと深刻な貧打の影響で今季6年ぶりの最下位に沈んだ立浪監督からは「これだけ今年、打てなかった打線で打撃コーチは大変なポジションだが、自分の思い通りにやってもらえればいい。ベンちゃん(和田氏の愛称)にはいろんな意味で期待している」と打撃面では〝全権〟を任せた格好だ。

 特に左膝前十字靱帯再建手術を7月に受けてリハビリ中の石川昂弥内野手(21)には早速、身ぶり手ぶりを交えながら約40分にわたって熱血指導。その中で和田氏は「立浪監督から『2人で相談してやってくれ』とのことだったので、彼の考え方を聞きながら、来年に向けてどういう方向性でやっていくか話し合った」と明かす。

 その上で「手だけの動作が多かったので、もっと体の連動性を持って練習していかないと変なクセがつく。(他の選手も含め)全体的に手を使いすぎてる選手が多い。もう少し脚からの連動性だったり体幹を使った打撃に変えていくともっと安定した数字が絶対出てくる。ちょっと上体に頼りすぎじゃないかな」と指摘した。

 さらに石川昂からプロ入り後、打球が詰まってしまうようになったと相談を受けたという。これに和田氏は「詰まらないためにこうしてる、ああしてると聞いて、それって逆じゃないのか、と。そうすればするほど逆に詰まるのでは、と。手の使い方がちょっと違うので、こういう使い方をした方がボールが飛ぶんじゃないかと」とアドバイス。すると石川昂は「高校の時はそういう感じでやってました」と当時の感覚を思い出した様子だったという。

 石川昂は昨年の秋季練習で中村紀打撃コーチから手から始動する指導を受けて「これまで下半身を意識して打撃をしていたが、真逆なのですごくびっくりした」とし、手が2、下半身が8という感覚を逆にし、手でタイミングを取る打撃フォームに変更したこともあった。ナゴヤ球場の柵越え連発でハマったかに見えたが、結局、石川昂にとって〝ノリ打法〟はしっくりこなかったようだ。

 それでも和田氏は「戻すとかではない。同じ打ち方はないので。だんだん進化していってるし、どんどん体も変わってくる。高校と同じ打ち方にするのは結局、後退だと思う。いろんな経験をして進んでいく。また新たな挑戦をしていくのでは」と期待を込める。

 石川昂も「教えていただいたことをしっかり整理してまた明日から頑張ります」と感謝。和田氏は石川昂を覚醒させて立浪竜の貧打解消の目玉にできるか。