立浪竜でキューバ勢の逸材が次々と才能を開花させるかもしれない。中日はこのほど、台湾で開催された「U23ワールドカップ」に参加したキューバ代表の首脳陣を、ナゴヤ球場で行っている秋季練習に招待した。メンバーは同国のヘルマン・メサ野球連盟副会長、アルマンド・ジョンソンWBC代表監督ら4人で、11月2日まで視察する。

 メサ副会長は「日本に来たのはキューバ選手がドラゴンズにお世話になっているので交流を深めるためと、日本の野球はレベルが高いので学ぶことが目的。(強かった)キューバの野球をまた復活させたい」と意図を説明した。

 今季まで中日には、育成を含めて12球団最多の7人ものキューバ出身選手が所属。いずれも育成契約での入団ながら、今季はR・マルティネスが最多セーブ、ロドリゲスが最優秀中継ぎのタイトルを獲得した。

 そんな中、U23W杯にキューバ代表として出場し、25日から秋季練習に合流したペドロ・レビーラ内野手(23)の期待値がうなぎ上りだ。今季途中から育成選手として加入し、7月下旬に支配下登録されて21試合で打率2割3厘、1本塁打、3打点だった。

 立浪和義監督(53)はその将来性にほれ込んでおり「やっぱりパワーがある。もうちょっと確率よく当たるようにしないといけないが期待はしている。まだ若いので、沖縄(秋季キャンプ)にも連れて行く」と大事に育てていく考え。チーム関係者は「監督はレビーラのことを、ソフトバンクのデスパイネのような大砲になれる男として、相当な期待をかけている」と明かす。

 指揮官にはキューバ首脳陣からの〝売り込み〟があり「たくさんいい選手がいるビデオを見せてもらった。投手もそうだし、若くて経験の少ない楽しみな選手はゴロゴロしていた」とし、U23代表メンバーの中にも「打者も投手も1人ずついい選手がいた」と、さらなる〝お宝〟も発見したようだ。

 かねてキューバは人材の宝庫として知られ、立浪監督は「現にライデル(マルティネス)も出てきている。取らないと出てくることはない。いい選手がいれば」と新たな人材育成にも意欲的。まずはレビーラをデスパイネ級の強打者として一刻も早く覚醒させたいところだろう。