セ・リーグのCSファイナルステージ第1戦(12日、神宮)は、リーグを制したヤクルトが7―1で3位の阪神を圧倒。力の差を見せつけた。ファーストステージで2位のDeNAを撃破し、乗り込んできた阪神の勢いを止めた要因は何だったのか。本紙評論家の伊勢孝夫氏が指摘した。

【新IDアナライザー 伊勢孝夫】ヤクルト・中村、阪神・坂本という捕手の差が出たゲームやった。初回二死一、二塁の場面。阪神先発・西勇はボール先行の2―1からの4球目、内角へ投げたシュートが少し甘くなったところをオスナに3ランを打たれた。捕手の坂本は内角シュートで勝負にいったと思うがあそこは外一辺倒で良かったと思う。

 西勇は二死から山田、村上に連続四球を与えてピンチを広げている。オスナへの1、2球目はアウトコースのきわどいボールをとってもらえずカウントを悪くした。内角はボール気味のところに投げて効果があるコース。投手としては3連続四球は避けたいという思いがあるはずだ。打たれたから言うわけじゃないが、2―1というカウントからインコースを要求するのは、間違っていたんじゃないかと思う。山田と村上を警戒しすぎて次の打者にやられる。一番やっちゃいかんことやったね。

 矢野監督はなんで坂本にこだわっとるんやろね。守備力で梅野を大幅に上回っているという感じもしないし、打撃では梅野の方が上や。ファーストステージでも打線が低調やったし、こういう短期決戦では梅野の方がいいと思うんやが…。

 対照的に中村は初球や0―1などボールになっても困らないカウントで内角をうまく使っていた。ボールになったら困るカウントではインサイドをあまり使っていない。阪神1番の中野はシーズン中は小川を結構打っている印象があった(15打数7安打、打率4割6分7厘)が、今日はしっかりと抑えている。ヤクルトバッテリーはリーグ戦で打たれた選手には徹底的に対策していると思う。7安打のヤクルトを上回る9安打を阪神は記録しているが、うまくタイガース打線を分断していた。

 4打数2安打と打撃でも活躍した中村だが、見逃せないのが3回無死二塁でのバッティングだ。犠打を2度失敗したものの、追い込まれた後にきっちりと二ゴロを打って走者を進め、サンタナの犠飛で5―0。あの1点は阪神に大きなダメージを与えた。昨年の日本シリーズでも思ったんやが中村は本当にいい選手に成長した。攻守にわたってチームを支えている。

 阪神はファーストステージ3試合であれだけ激しい戦いをしてきたから、選手はかなり疲れているように見える。ここでもう一度流れを持ってくるためには打線が頑張るしかない。第2戦の先発・藤浪が頑張って6回までリードする展開に持っていく必要があるだろう。短期決戦はちょっとしたことで流れが変わる。阪神が第2戦に勝てばまだわからないよ。

(本紙評論家)