ラストデーはどこまで伸びるか…。シーズン3位で2位・DeNAとのCSファーストステージに臨む阪神・矢野燿大監督(53)は「最後やと言って臨んでいるシーズンで選手たちが最後、粘りに粘って勝ち取ってくれたクライマックス。この時間はみんなが作ってくれた時間。俺も長くやりたいなっていうのは正直なところ」と〝下剋上〟での日本シリーズ進出へ控え目に決意表明した。

 すでに今季限りでの退任が決定しており〝敗退〟が決まれば、それが即、監督のラストゲームとなる。そんななかで多くのナインがポストシーズンへむけ「一日でも長く矢野監督と」とメディアに話していたことを振られると「おべんちゃらでも、お世辞でもそうやって言ってくれるのはうれしい」と頬を緩めた。

 CSは昨年に続き2年連続。昨季と違うのは、ゲーム差なしのV逸、無念の2位で終わった昨季と、首位に12ゲーム差、借金3という立場で進出したことで「良くも悪くも、緊張感はまったくない」(チーム関係者)と自然体を貫くナインが多いという。

「日本シリーズまですべてビジターの遠征でシーズンと違うのは、敗退が決まれば家に帰るだけのこと。今年、あと何試合真剣勝負の機会を選手たちの力で、どれだけ増やせるかを腕試しすればいいんじゃないの? 監督ももう、なるようにしかならないと思っているハズだよ。それこそ『ダメもとで楽しめ』しか、もう言うことなんてないよ」(球団関係者)

 今回のCSはファイナルステージの最終戦まで行くと、11泊12日。矢野監督とナインの〝卒業旅行〟を、どこまで延泊できるか。奇跡の日本シリーズ進出となれば一転、4年間の総決算にもなる〝集大成ロード〟となるが果たして…。