会心の「原マジック」さく裂なるか――。巨人は残り2試合で逆転CSへの望みを残す一方で、1敗でもすれば終戦を迎える土壇場だ。ナインには最後の奮起が求められるとともに、原辰徳監督(64)の采配にも注目が集まっている。すでにチームは2年連続のV逸が決まって崖っぷちなのだが、周囲からは熟練指揮官の〝アドリブ力〟に警戒する声が上がっている。
いよいよ最後の大勝負だ。残る公式戦は10月1日、2日のDeNA2連戦(横浜)。原監督は29日にジャイアンツ球場で行われた全体練習前の円陣で、ナインにこう呼びかけた。
「あと2試合で終わるのか、あるいはもう少し長く戦えるのか。それぞれが2試合にかける思いをしっかりと持って戦おう。どう考えるかはみんなに任せるよ」。負ければ、その瞬間に2022年シーズンは終わる。CS進出にはもう1試合も落とせない。その逆境を意気に感じてあえて気負うのか、平常心で臨むのか。選手それぞれで力を発揮できる意識の持ちようが異なるだけに、あえて個々の判断にゆだねた。
ナインのパフォーマンスを最大限に引き上げたい考えだが、〝火事場の原采配〟も関心を集めている。21日のDeNA戦(横浜)で、ドラフト1位守護神・大勢の「3連投」を初めて解禁し、前戦25日の中日戦(バンテリン)では、先発の山崎伊をリリーフ起用。従来と異なる短期決戦仕様のタクトも振ってきた。そして、今回はCS進出かBクラスかを分ける決戦だ。
監督としての通算勝利数は球団1位の記録を更新中。すでに今季のV逸は決まったが、どんな重圧がかかっても瞬時に決断を下して行動できる力は、他球団からは「恐怖」の対象となっている。
「巨人が那覇で試合があった時、獅子とグラウンドで〝バトル〟をやったでしょう。沖縄のファンに向けたパフォーマンスかもしれませんが、とっさにアドリブであれだけできる監督さんはいませんよ。即断即決できる監督としての強さは、ああいうところも無関係ではないでしょう」(セ球団関係者)
4月中旬の沖縄遠征でDeNAに2連勝を飾り、グラウンドからスタンドのファンへ悠然と手を振ってあいさつを終えると、原監督の振り向きざまに獅子が〝出現〟。ビックリした様子の指揮官は背泳ぎをするかのように両腕を大きく回しながらバックステップを踏み、たじろぎながらも最後はグータッチを繰り出して、場内は大盛り上がりとなった。
ちなみに現役時代の原監督はしびれる試合に対しては「俺は元来、その緊張感が喜びと思う。それがなくしてプロ野球はないと思う」と捉えていたという。泣いても笑っても、負ければ終わり。崖っぷちの状況に変わりはないが、覚悟を決めた指揮官が繰り出す一手が明暗を分けるかもしれない。












