この選択の結果は果たして――。巨人は28日に東京都内の球団事務所でスカウト会議を開き、今秋のドラフト会議(10月20日)で香川・高松商の浅野翔吾外野手(3年)の1位指名を決めた。2年ぶり〝公表〟の裏には、連敗を重ねてきた競合ドラ1獲得へ球団としての並々ならぬ思いがあった。 

 原辰徳監督(64)も出席し約3時間に及んだ会議後、大塚球団副代表が取材に応じた。1位指名について名前こそ避けたものの「体は小さいですけど三拍子そろっている。パンチ力もあるし、右(方向)にも打てるし、足も速い。一番はスター性。将来スーパースターになれる素材」と事実上の浅野指名を公言した。

 浅野は高校通算68本塁打を誇る強打者。夏の甲子園ではベスト8で敗退も3本塁打をマークし、U―18W杯(米国)にも出場した。巨人はW杯にスカウトを派遣するなど密着マーク。水野スカウト部長は「木のバットにも対応している。右の吉田(正尚=オリックス)になってほしい」と目を輝かせた。

 野手の世代交代を進めたい巨人としては何としても浅野を獲得したいところ。ただ高校ナンバーワンスラッガーの競合は必至で、現在11連敗中の抽選がカギを握ってくる。

 巨人の1位候補表明は2020年8月に「パワーヒッターの即戦力外野手」と近大・佐藤輝(現阪神)の指名を公にして以来、2年ぶり。この時は4球団が競合し抽選で敗れているが、今回の浅野指名はより一層、踏み込んだ形だ。

 12球団最速によるメリットはいくつかある。一つ目は獲得への期待値が上がること。抽選リスクを避けたい他球団が、浅野を候補から外すケースもある。競合の予想球団数を聞かれた水野スカウト部長は「みんな(浅野には)来ないでしょ」と早速ライバル球団をけん制した。

 加えて浅野本人への好印象も期待できる。抽選の結果、優先交渉権を得たとしても本人が拒否する可能性もゼロではない。入団後のモチベーションも含めて「一番乗り」による効果は大きい。

 もちろんデメリットもある。球団によってはドラフト当日まで1位を決めず他球団が高評価した選手を指名することもある。実際、昨年の巨人は事前公表なしで隅田(現西武)を1位指名も結果的に4球団が競合。巨人は外れ1位で大勢を獲得している。

 果たして〝最速公表〟という今年の巨人の選択は吉と出るのか。ドラフト当日まで目が離せない。