ヤクルトが25日のDeNA戦(神宮)に1―0でサヨナラ勝ちし、2年連続9度目となるリーグ優勝を決めた。球団として29年ぶり連覇の〝立役者〟となったのは、今季「日本選手最多のシーズン55本塁打」を放ち「令和初の3冠王」も視野に入れる主砲・村上宗隆内野手(22)。日本球界史上、最強の若きスラッガーが出現したことで、米国では「2025年のメジャー挑戦」を想定し、早くもMLB10球団以上による争奪戦への動きが加速している。

 海の向こうでも「ムネタカ・ムラカミ」の名前は衝撃を持って伝えられている。米スポーツメディア「スポーティング・ニュース」は「日本のセントラル・リーグ、ヤクルトスワローズでプレーする22歳の三塁手である村上は天性のパワーの持ち主。間違いなくNPBで最高のバッターだ」と絶賛。米CBSスポーツも、ヤンキースの主砲・ジャッジを引き合いに出し「60本塁打ペースはアーロン・ジャッジだけではない」とのタイトルをつけ、村上の日本での暴れっぷりを詳細に紹介している。

 そんな村上が将来、MLB挑戦を視野にいれているかどうかは今のところ不透明。ただ周辺では「タイミングが合えばゆくゆくは挑戦したいようだ」と見ており、MLB複数球団も近い将来を見越して村上に熱い眼差しを向けている。

 ア・リーグ球団の極東スカウトは「村上選手のスイングスピード、パワーは規格外。今までNPBでチェックしてきた日本人選手の中でも群を抜いています。しかも逆方向への打球も多く、ハイアベレージヒッター。文句のつけようのない『怪物』、言うならば『ジャパニーズモンスター』です」とうなった。

 そして「個人的に最も評価すべきところ」として「以前は比較的インコースが苦手とされていたのですが、今季はほとんど苦にしなくなった。内角攻めにも臆することなくスタンドインさせてしまうだけの技術としなやかな打撃フォームを身につけている。成長したいという意識が強いからこそ、努力を重ねているのでしょう。まだ22歳ということを考えれば、一体どこまで伸びていくのか。末恐ろしい存在です」とも評した。

 同スカウトは村上について、かつて巨人やヤンキースなどでプレーした松井秀喜氏と比較し「これだけ成長度をみれば、松井選手を超えることは確実でしょう」と太鼓判を押す。そして「彼は自分を客観的かつ冷静に分析できるので、新しい環境にアジャスト(順応)する能力も高い。MLBに早く移籍すれば、現在30歳のジャッジと同じ年齢になる8年後には同等の成績を残すことも夢ではない」と力説した。

「こちら側が把握しているだけでMLBでは少なくとも10球団以上の関係者が注目している」(前出スカウト)とのことで、具体的なメジャー挑戦のタイミングは「3年後の25年」を想定しているという。

 村上の海外FA権取得は、順調に行けば2027年のシーズン中。それまでにポスティングシステムによる移籍がヤクルト側から容認される可能性もあるとはいえ、MLBでは25歳未満の海外選手の移籍では、契約金や年俸が制限される現行ルールが設けられていることから、村上が25歳となる「3年後の25年オフが有力」との意見が根強い。

 村上は来年3月開催の第5回WBCで、侍ジャパンの4番を打つことが濃厚。MLBのスーパースターも各国代表として数多く参加する国際大会の場で、日本の若き主砲がひと際大きな注目を浴びることになる。